ADMIN TITLE LIST
Selected category
All entries of this category were displayed below.

 新年あけましておめでとうございます。
 本年も皆様が素晴らしい読書ライフをおおくりできるよう心よりお祈り申し上げます。

 さて、新年一発目の更新だが、結局はそれほど本が読めていない年末年始である。暮れは二十九日から休みだったのだが、二十九、三十日と大掃除、三十一は正月用の買い出しと準備で昼間はほとんど使えず。夜は夜で美味しいお酒を飲みすぎてしまい、早々に寝てしまうこという体たらくである。
 ちなみに大晦日はがっつり紅白を観ていたが、いやあ、けっこうな予算がかかっているだろうに、ゴジラとタモリの無駄遣い感はすごかったなぁ(笑)。これ、SMAPが出ていたら、どういうふうに絡ませるつもりだったのだろう。それともSMAPが出場しなかったから、ああいう企画になったのか。どちらにせよNHKは根本的にショーの見せ方を考え直した方がよい。

 年が明けて一日からは寝正月。とはいえ雑煮作りは自分の担当なので、起床後はせっせと台所で働き、完成したら午前中から酒盛りである。いい加減酔いも回った頃、酔い覚ましも兼ねて初詣に出発。帰宅後は録画してあったRIZINを観ながら再び酒盛り。いや、これじゃ本は読めんよなぁ(苦笑)。
 ちなみにRIZINはゾクゾクするようなカードがあまりなかったので録画にしたのだけれど、所vsアーセン、川尻vsグレイシー、中井vs村田は見応えあったな。

 とりあえず明日は『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』を鑑賞すべく、立川シネマシティにネット予約を入れて今年最初の一日は終わるのであった。

テーマ:日記 - ジャンル:日記


 『このミス』を読んでいて、そういえば昨年は各誌ベストテンのランキング比較をやったなぁと思い出し、今年もやってみることにした。
 ここ数年似たようなベストテンが続いているなか、各誌の傾向は実際どうなのよというのがポイント。ざっと本を眺めたかぎりでは、熊とメルセデス、カミーユが強そうな印象ではあるが、平均を出すとどういう結果になるのか。また、票が散らばりやすい下位も気になるところである。
 ルールは昨年同様で、『ミステリマガジン』の「ミステリが読みたい!」、『週刊文春』の「ミステリベスト10」、宝島社の『このミステリがすごい!』の各ランキング20位までを対象に平均順位を出すという、いたってシンプルなもの。ランキングによって対象となる刊行期間が異なるため(ミステリマガジンのみ10月1日から9月31日、他は11月1日から10月30日)、1つしかランクインしていないものは省き、2つのランキングにランクインしているもののみ取り上げている。
 ただ、1つしかランクインしていないものでも、それがむしろランキングの個性ということにもなるので、今年は一応参考資料としてそちらも並べてみた。

 2017年ランキング比較

 で、結果はごらんのとおり。
 案の定『熊と踊れ』と『ミスター・メルセデス』がワンツーフィニッシュ。これに続くのが『ザ・カルテル』、『傷だらけのカミーユ』『拾った女』ということで、どのベストテンも上位はほぼ同じ顔ぶれ。とりたてて驚くこともない、実に面白みのない結果となってしまった。

 ただ、各誌の上位比較では面白くないけれど、キングやウィンズロウ、ルメートルといった常連をおさえて『熊と踊れ』が一位というのは悪くない。やはり新しい人が出ないと活気も出ない。
 また、『熊と踊れ』の作者がぽっと出の新人ではなく、すでに邦訳のある作家というのもいい(共作者の一人、アンデシュ・ルースルンド)。ルメートルもそういえばブレイクする前に邦訳はあったのだが、かつてセールス的にパッとしなかった作家を再度売り出そうという版元のチャレンジャー精神は買いたい。

 あと、個人的には『拾った女』がけっこう評価されているのが嬉しい。『このミス』ならそこそこ上位にいくとは思っていたが、まさかの全誌ランクインである。

 ちょっと不運なのは『傷だらけのカミーユ』で、これは『ミステリマガジン』が対象期間もれとなってしまったことがモロに影響している。「ミステリが読みたい!」で順当に三位以内ぐらいをキープしていれば、もう少し上位に入ったはずだ。
 いや、むしろ問題なのは『悲しみのイレーヌ』が本年度のほうにランクインしていることかもしれない。それこそ一年以上前の本になるので、これを今さら今年のベストテンに入れることがピンとこない。これは『スキン・コレクター』も同様で、ランキングには直近の作品がどうしても有利になるので、やはりミステリマガジンには足並みをそろえてほしいところである。

 一方、下位に目をやると、こちらは思った以上に各誌のクセが出てきて面白い。
 まず「ミステリが読みたい!」だが、下位というほどではないが『宇宙探偵マグナス・リドルフ』が圏外なのは意外だった。なんとなくSF的なものや哲学的なものは「ミステリが読みたい!」こそ強いイメージがあったのだが。そのくせ『虚構の男』は「ミステリが読みたい!」のみランクインだし、『プラハの墓地』はきっちり十位に入っているしで、ううむ、よくわからん。
 ちなみに今年は『熊と踊れ』が盤石の一位をとっているせいか露骨な自社本推しは感じられない。まあ、それでも他のベストテンよりは自社本が多いけれど(苦笑)。

 文春の「ミステリベスト10」はこの点、わかりやすい。今も昔も話題作、有名作家のものが基本強い。ラインナップを見ても、いかにも文春ベストテンという感じである。
シーラッハの『テロ』などは今回、ベストテンに入れることがそもそもどうなんだという内容なのだが、それでもしっかり十四位に食い込んでくるあたり、さすがである(苦笑)。唯一、『宇宙探偵マグナス・リドルフ』だけが突然変異的なランクインで楽しい。

 『このミス』はこうして見ると、ジャンル的にはやはり一番幅広いかなという印象。上位の顔ぶれが当たり前すぎて残念だが、一誌のみランクインの方ではSFっぽいものや本格クラシック、ユーモアものなど、一般受けはしなくともその道のファンには喜ばれている作品がちゃんと選ばれているのがいい。うむ、少し見直したぞ(苦笑)。

 ということで、近年感じていたどこも似たり寄ったりのランキングというイメージは若干修正されたが、それでも上位を見るかぎりはまだまだ。来年はさてどうなりますか。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌


 先週から今週にかけて、『ミステリマガジン』と『週刊文春』で年末恒例のベストテンが発表されている。さすがに昨年のように海外版ベスト3までがまったく同じということはなかったが、やはりその顔ぶれは似通っており、この二誌のランキング差はほとんどなくなっているようなイメージ。
 差が出ているとすれば対象時期が一ヶ月ずれていることによる違い、そして版元による違いぐらいだろうか。『ミステリマガジン』ではハヤカワミステリの『ありふれた祈り』、『週刊文春』では文春文庫の『悲しみのイレーヌ』と、見事なまでに自社本が一位となっているところは笑えてしまう。まあ、それをいったら講談社の『IN★POCKET』のベストテンなんて、毎年のように講談社文庫の作品が一位を占めているのだが、あれはランキングではなくて単なる販促媒体だと思っているので、基本的には真面目に受け取ってはいけないものだろう。

 まあ、『IN★POCKET』の例は極端としても、良い作品はどのランキングであろうと評価されるべきだし、結果的にそのランキングが似通ってしまうのは当然といえば当然。だがそれではいくつものランキングが存在する意味がない。特に後発組は積極的に差別化や独自性を打ち出してほしいものだ(そもそもそうしないと売れ行きにも影響するはず)。
 『ミステリマガジン』あたりはベストテンの形態もひんぱんに変えており試行錯誤してきたイメージはあるけれど、雑誌に取り込んだあたりから企画色も薄れ、かなり難しいところにきているのではないか。雑誌の在り方も含め、この十年ほどはやや迷走気味である。
 原書房の『本格ミステリ・ベスト10』は本格ものに絞ったところで特色を打ち出しており、その姿勢は評価できるが、いかんせん頭数も減ってしまうから、質的にそれほどのものでなくてもランクインしてしまうという弱みがある。
 一方で、今やベテラン組といったほうがしっくりくる『このミステリーがすごい!』。そのランキング内容で独自性なら間違いなく突出していたが、昨年はやはり三位までが同じ結果だったように、最近はすっかり保守的。来週あたり2016年版が出るはずだが、なんとか初期の熱い誌面を取り戻してほしいものだ。巻き返しに期待したい。

 2015年ミステリマガジン&文春

 ランキング自体の内容に少し触れておくと(例によって海外部門だけだが)、今年は昨年の『その女、アレックス』のような絶対的本命がいないこともあって、常連が独占しそうな雰囲気である。
 先ほどのピエール・ルメートルの『悲しみのイレーヌ』、ウィリアム・ケント・クルーガー『ありふれた祈り』を中心に、インドリダソン『声』、ミネット・ウォルターズ『悪魔の羽根』、トム・ロブ・スミス『偽りの楽園』、フェルディナント・フォン・シーラッハ『禁忌』、ニック・ハーカウェイ『エンジェルメイカー』、ダニエル・フリードマン『もう過去はいらない』あたりが追いかける状態といったところだろう。正直、悪い作品はないのだろうが、やや新味に欠けるのは否めない。
 個人的にはこれまで興味のなかったウィリアム・ケント・クルーガーが気になる存在か。『ありふれた祈り』はノンシリーズだからお試しにはちょうどよさそうだ。今週中頃には『このミステリーがすごい!』も発売されるようだし、これで今年最後の購入本を決めるとしよう。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌


 本日は町田に足を伸ばし、町田市民文学館で開催中の「没後25年日影丈吉と雑誌宝石の作家たち」展を鑑賞。日影丈吉が町田に住んでいた縁で企画されたようだが、さらに日影丈吉絡みで探偵小説誌「宝石」の作家も取り上げられている。乱歩や正史はともかく日影丈吉は珍しいってんで、これはやはり見ておくかと朝から出動。

「没後25年日影丈吉と雑誌宝石の作家たち」展1

 町田市民文学館には初めてきたが、考えると首都圏でこういう公的な文学館という存在がそもそも珍しかったりする。図書館や美術館併併設とか作家個人の記念館はぼちぼち思い当たるが、首都圏で思いつくのは世田谷文学館と神奈川近代文学館ぐらいか。だいたい町田にあるってのがちょっと意外だ。
 建物自体はそれほど大きくないが(それでも独立した三階建ての建物ではあるが)、やはり専用施設だけに展示スペース、資料室、サロンとなかなか充実している感じ。しかも本日はたまたま「文学館まつり」なるものを催しており、なかなか盛況。うむ、町田市、がんばっておりますな。ちなみに本日はこのおまつりのおかげで入館料タダというのがちょっと嬉しい。
 
 そんな前情報はともかくとして肝心の「没後25年日影丈吉と雑誌宝石の作家たち」展。規模的にはこじんまりしたもので、日影丈吉の生涯を振り返るというには粗々すぎてちょっと苦しい。
 それでも日影丈吉の生原稿をはじめ、乱歩や正史、山風、城昌幸といった関連作家の生原稿、さらには松野一夫や建石修志、杉本一文、多賀新ら装丁や挿絵を担当した画伯の原画も展示してあったりと、量は少ないがなかなか充実。日影丈吉の生原稿は初めて見たと思うのだが、丸文字系で意外にかわいらしく読みやすい筆致であった。

 帰り際には図録を買い、図書館放出本コーナー、駐車場でやっていた古本フリマを冷やかし、さらには古書店や新刊書店でいくつか買い物をして帰宅。

 「没後25年日影丈吉と雑誌宝石の作家たち」展パンフ

 「没後25年日影丈吉と雑誌宝石の作家たち」展図録
 ▲上はパンフレット、下は図録の表紙画像

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌


 国立新美術館で開催されている「マグリット展」へ足を運ぶ。
 GW中は待ち時間が恐ろしいことになるのではと思い、あらかじめネットで当日券を事前購入し(現地で買うと「ルーヴル美術館展」と売り場が共通のため、ますます待ち時間がとんでもないことに)、さらには開館の20分前には現地入りする。すると10時開館のはずがすでに入場を開始しており、待ち時間なしであっさり入場できてしまう。まあ、ちょっと拍子抜けの感はあるが、備えあれば憂いなしということで(ちなみにルーヴル美術館展の方は開館前にすでに百人ほどの行列がありました)。

 マグリット展1

 マグリット展2

 さて、今回のマグリット展は彼の業績を万遍なく集めた集大成的なものであり、個人的にもシュールなものや幻想的な作品が好きなこともあって、前々から楽しみにしていた展示会である。比較的ゆっくり見ることもできたし、質的にも量的にも期待を裏切らない展示会であった。
 「光の帝国II」や「白紙委任状」「陵辱」「ゴルコンダ」「空の鳥」等々の有名作品が多く見られるのはもちろん嬉しいのだが、初期の作品には初めて見るものも多く、そちらも興味深かった。正直、後期ほど作風が確立されていないというか、何だかんだと人の影響を受けたような作品もちらほらあるのが何とも。やっぱり名作は簡単にポンと生まれたのではなく、こういう過程を経ての結果なのか。

 マグリットがつける題名も人を食っていて楽しい。彼は絵の力以上に言葉の力を信じているところもあって、テーマを決めてもそこから思考を積み重ねひねくり回し、それをキャンバスに落とし込んでいる感じである。
 だから絵の題名(テーマ)と実際に描かれたものの間にはえらく開きがあるわけで、それをつなぐものが何なのか考えるのが、鑑賞する側の務めでもあり楽しさでもある。
 ちなみに主要作品の幾つかにはマグリット自身によるコメントも付されていたが、ぶっちゃけ何を言っているのかわからないものが多かったのは秘密(笑)。もう少し親切な解説をつけてくれてもよかったんではないか。

 お土産は図録にマグネット式の栞を購入。ちなみに図録が2,800円という価格であの作りというのは驚異的お買い得である。いったいどれだけ刷っているんだろう?


 昨年あたりからMacBookの状態が不穏だったので、先週、思い切ってMacBook Airに買い替え。ドライブではなくフラッシュストレージで動くんで、スペック以上に速くて実に快適である。しかも値段も昔に比べるとずいぶん安くなっているしなぁ。
 ただ、問題は元の機種に入れてあるアプリ各種が相当古いため、ほとんど使い物にならないこと。これでは自分が蓄積してきたミステリ関係のデータがさっぱり使えないので、仕方なくOfficeやらFileMaker、スキャナーまでも一切合切買い換える羽目になる。正月早々えらい散財である。

 仕事は新年からバタバタ。新年の挨拶回り等でただえさえ時間がないのだが、トラブル対応やインフルエンザで人手が減ってしまい何とも慌ただしい。
 おまけにプライベートでも嫁さんの実家で入院騒ぎがあって、いやはや2015年は何かと騒々しくなりそうだ。

テーマ:日記 - ジャンル:日記


 週刊文春2014年12月11日号

 先日、『ミステリマガジン』で年末恒例の「ミステリが読みたい!2015年版」が掲載されたが、今週は老舗『週刊文春』による「ミステリーベスト10 2014」が掲載された。
 拙サイトでは例によって海外作品にしか興味はないのだけれど、一位はピエール・ルメートルの『その女アレックス』。おお、「ミステリが読みたい!2015年版」に続いてV2ではないか。
 非常に面白い作品だが、ぶっちゃけそこまで圧倒的かどうかとなると疑問もないわけではない。ただ、意外性のタイプが珍しく、広く好まれる仕掛けであることは確か。そういうわかりやすさもこういうランキングでは有利に働いたのだろう。
 ピエール・ルメートルを筆頭として全般的に新顔が多いのも(初紹介ではないにせよ)いい傾向である。

 ちなみに2位はケイト・モートンの『秘密』、3位は『ゴーストマン 時限紙幣』と続く。どちらも未読だがそれぞれ気にはなっていた作品なので、年末のお楽しみにしておこう……と思ったところで、ふと気になることがひとつ。
 あらら、なんと『ミステリマガジン』と『週刊文春』のベスト3までが、作品はもちろん順位までまったく同じなのである。

 昨年も書いたのだが、以前は各誌ベストテンごとにけっこう方向性が違うというか、それなりに意味もあったのだが、ううむ、ここまで似てしまうとなると本当に関係者はベストテンの在り方を真剣に考えるべきではないか。投票者にしても本当に全部読んでいるわけではないだろうし。
 それらに加えて、実はこれが最大の原因かもと考えているのだが、ネットによる情報の共有化が進みすぎて、みなが評判の良いものに集中しすぎる面は否定できないだろう。
 次は『このミステリーがすごい』になるだろうが、本命は『その女アレックス』でいいとしても、こちらまで2位、3位まで同じだとさすがに嫌だな。


テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌


 高倉健さんが亡くなった。
 年齢的にはともかく近年も元気そうな姿を見せていただけに唐突な印象は拭えず、関係者はもちろんファンに与えたショックは相当に大きいだろう。
 なんせ日本映画界の象徴的ともいえる存在である。今さらその功績や魅力を管理人が述べるまでもないが、チンピラを演じようが刑事を演じようが、その存在感というか佇まいは圧倒的なものがあった。

 ミステリ系の作品だけでも思いつくままに挙げておくと、犯人役が印象的な『新幹線大爆破』、マイケル・ダグラスや松田優作などとの豪華競演が話題になった『ブラックレイン』、一度は観ておきたいモダンな金田一耕助『悪魔の手毬唄』、薬師丸ひろ子のデビュー作でもある『野生の証明』、海外でも評判になった『君よ憤怒の河を渉れ』等々。ほかにも東映の任侠ものなどは軒並みノワールとかクライムストーリーといっていいだろう。
 あまり役者で映画を観ることはないのだが、高倉健さんの作品だけは別格であった。

 謹んでご冥福をお祈りいたします。

テーマ:日本映画 - ジャンル:映画


 最近マイブームのムーミン物語だが、その作者トーベ・ヤンソンが生誕百周年ということで、ただいま横浜そごうで『生誕100周年 トーベ・ヤンソン展』が開催されている。
 もともとムーミンをあらためて読むきっかけになったのも、トーベ・ヤンソンが生誕百周年で話題になっていたからなので、これを見逃すわけにはいかない。休日を利用して本日は横浜へ向かう。春に行われた『ムーミン展』の方はだいぶ行列が凄かったらしいが、幸か不幸か本日は雨のせいで人出が少ないようで、ゆったり見られたのは良かった。

 トーベ・ヤンソン展パンフ
▲本展示会のチラシ。

 トーベ・ヤンソン展会場
▲入り口の様子。残念ながら撮影可能なのはここまで。

 さて、今回は『ムーミン展』ではなく、あくまで『トーベ・ヤンソン展』。したがって代表作であるムーミン・シリーズだけでなく、彼女が生涯を通して描いたものすべてが対象である。ムーミン物語の挿絵原画、政治風刺雑誌のためのイラスト、数々の油彩作品、「不思議の国のアリス」や『ホビットの冒険』など児童文学の挿絵など、トータルで400点以上。展示数でいえば『ムーミン展』の倍というのが凄い。

 ムーミンの挿絵はこれまでにも見る機会はあったのだが、今回の個人的目玉はやはり油彩と、ムーミン以外のアリスやホビットなどの挿絵原画。アリスやホビットはもうムーミンのタッチのまんまなので、これがアリスだとかビルボだとかガンダルフとか書かれていても、いや、どうしてもムーミン谷の住人にしか思えないのが困った(苦笑)。もちろん、これはこれで非常に味があって、邪悪そうなチェシャ猫と儚げなアリスが印象的。

 かたや油彩作品の方は、若い頃の幻想的・抽象的なものから印象派っぽいもの、後年の抽象表現が入ったものまで初めて見る作品が多く、物語作家以上に画家としての実力を見せつけられた。
 これまではどうしても小説家が挿絵も描いていたというイメージが強かったのだが、こういう展示会を見てしまうと、明らかに画家が小説を書いたのだということが実感できる。こちらはそうそう見られる機会がないと思うので、これを見るだけでも行く価値はあるだろう。
 その他、著者自ら手掛けたジオラマや幼児の頃に描いた絵まであって、いや、ほんとにお腹いっぱいの展示会であった。

 トーベ・ヤンソン展2
▲こちらは「夏の家」の部屋を再現したコーナー。数少ない撮影可のコーナーでもあります。

 なお、グッズショップは非常に盛況で限定品もかなり豊富。本以外に物欲がない管理人だが、今回は図録はもちろんとして栞にTシャツ、挙げ句はビスケットまで買ってしまった。
 下は図録の写真だが、高級感もあり美しい仕上がり。収録してある作品を考えるとこれは悪くない。

 トーベ・ヤンソン展図録

 ちなみに来年二月には、本国フィランド製のムーミン作品が全編手描きの長編アニメーションとして公開されるらしい。うむ、これも楽しみだ。

テーマ:児童文学 - ジャンル:本・雑誌


 本日は珍しくクルマの話から。ブログでは滅多に書かないけれどクルマはけっこう好きな方だ。ただ、気になるものをしょっちゅう買い換えてというところまではなく、まあ、いってみればスーパーカーブームの影響をもろに受けた世代なので、普通にクルマに興味があるといった程度だろう。乗っているクルマも日常のアシがほとんどである。
 で、実は今月がマイカーの車検だったのだが、これまで乗っていたのはかれこれ十年以上使ってきたので、きれいに乗ろうとするといくつか修理した方がいいところもあり、どうせならというわけで新車に買い換えとあいなった。新しいクルマはシトロエンのC3というやつである。
 納車されたのが先週のこと。さっそく運転に慣れるために今週はどこか遠出をしようということになった。そこで昨日ドライブしてきた先が、山梨県山梨市にある根津記念館である。

 根津記念館は、鉄道王の異名を持つ実業家、根津嘉一郎の実家を保存・活用する施設として2008年に作られた。なんでこんなところを訪ねたかというと、別に管理人が鉄ちゃんだからではなく、ここで「イラストレーター杉本一文が描く横溝正史の世界」という展示イベントをやっていたからである。二年ほど前に神保町の東京堂書店でも「杉本一文原画展」をやっていたが、まあ、あれに近いものである。

 杉本一文が描く横溝正史の世界看板

 杉本一文氏は角川文庫の横溝正史作品のカバー絵を三十年以上にわたって描き続けた人だが、横溝作品のオドロオドロした怖さはもちろんだが、同時に併せ持つ妖しさや美しさも見事に表現し、人気を集めた。その軌跡の一部を今回、展示してあるわけで、杉本ファンには当然として横溝ファンにもたまらない催しであろう。
 ただ、会場のほうは若干こじんまりとした印象で、この形でやるのであればもう少し企画色を強くして、ボリューム感も充実を図るべきではなかったか。遠方からわざわざやってきた自分のような者にすると、少々物足りなさは否めないのが惜しい。

 杉本一文が描く横溝正史の世界ポストカード
 ▲パンフレットやポストカードはこちらの絵柄

 杉本一文が描く横溝正史の世界図録
 ▲こちらは図録。すべて1ページ1枚で大きく見せてくれると良かったのに。

 なお来週6月1日であれば杉本一文氏をメインゲストに迎えてのトークイベントが開催されるので、可能な人はそちら込みで見学するのが間違いなくおすすめだろう。
 近隣には富士山やら八ヶ岳やら気分をリフレッシュできる場所も多いので、日頃から殺伐とした小説に染まっているミステリファンにはぜひともセットでおすすめしたい休日の過ごし方である(笑)。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



| HOME | Next

Design by mi104c.
Copyright © 2017 探偵小説三昧, All rights reserved.
ネット小説