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 勤労感謝の日なのに仕事かよ、などという台詞が、おそらく今日一日で1千万回はいわれているに違いない。自分も2回ほど口にする。

 読了本はヴィクター・カニングの『溶ける男』。論創社の海外ミステリからの一冊。
 この論創海外ミステリ、最近の古典復刊ブームにのってスタートした企画だと思うのだが、他社が本格寄りで刊行する中、ハードボイルドありゴシックロマンスありの要は何でもあり路線で展開してきた異色のシリーズである。しかし、このところの新刊を見ていると、どうやら本格に的を絞りつつあるようで、それはそれでよいのだが、個人的にはB級ハードボイルドなどもまだまだ大歓迎。

 本日読んだ『溶ける男』もその意をさらに強くしてくれる佳作である。
 ある富豪から頼まれた自動車盗難事件。私立探偵のカーヴァーはバカンスに出掛けるつもりだったのだが、依頼人の娘に惹かれてつい仕事を引き受けてしまう。ところが単純だと思われていた事件には国際的スケールの陰謀が隠されており、ある品物を巡って三つ巴の抗争に発展してゆく……。

 作者のカニングは冒険小説やスパイ小説の書き手で、もともとストーリーの組み立ては達者な人だが、ここまでハードボイルドも書けるとは少々意外だった。それどころか、これでもかというぐらい魅力的なキャラクターを立てまくり、それをお得意の謀略もの的ストーリーに絡ませて、痛快な暴れっぷりを披露させてゆく。なかなか目にとまりにくい作品だろうが、こういう作品はもっと評価されてもいいはずだ。
 私立探偵カーヴァー・シリーズは全部で四作あるのだが、ぜひ残りも訳してもらいたいものである。


テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



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