Posted in "国内作家 城昌幸"
- Category: 国内作家 城昌幸 10 09, 2016
- 城昌幸『ハダカ島探検 城昌幸少年少女作品集』(盛林堂ミステリアス文庫)
- 城昌幸の『ハダカ島探検 城昌幸少年少女作品集』を読む。今年の五月頃に盛林堂ミステリアス文庫の一冊として刊行されたもので、今回は単行本未収録のジュニア向け小説を集めたものということで、相変わらずマニアックな編集ぶりである。 そもそも城昌幸の著作についてはあまり全貌がよくわかっていないらしいのだが、とりわけ「若さま侍」シリーズとジュニア向け小説は厄介らしく、今回もありがたく関係者の努力の賜物を楽しま...
- Category: 国内作家 城昌幸 10 29, 2014
- 城左門『架空都市ドノゴトンカ 城左門短篇集』(盛林堂ミステリアス文庫)
- 城左門の『架空都市ドノゴトンカ 城左門短篇集』を読む。西荻窪の古書店、盛林堂さんが発行している盛林堂ミステリアス文庫からの一冊。 盛林堂ミステリアス文庫といえば『大阪圭吉作品集成』もよかったのだが、本としての充実度でいえば、これはそれを上回る出来映えである。 そもそも城左門って誰や、という人もいるかもしれないので念のため書いておくと、これは幻想的な短編の名手として知られる探偵小説作家、城昌幸の別...
- Category: 国内作家 城昌幸 11 07, 2005
- 城昌幸『死者の殺人』(桃源社)
- 本日の読了本は城昌幸の『死者の殺人』。かつて桃源社から刊行された「書下し推理小説全集」からの一冊だ。 大学教授の後藤要助の元へ、古い友人、山座仙次郎から手紙が届けられた。それによると知人は癌のために危篤の状態であり、なぜか自分に遺産を相続してほしいというのだ。要助はひなびた温泉街にあるという仙次郎の家を訪ねたが、なぜかそこには家の者の姿が見えない。そしてその代わりとばかり、要助以外にも遺産を相続...
- Category: 国内作家 城昌幸 09 12, 2005
- 城昌幸『若殿黄金ぐるま』(桃源社)
- 城昌幸『若殿黄金ぐるま』読了。先々月あたりに読んだ『若殿行状記』と同じ若殿千代丸シリーズの一冊である。 ちょっとおさらいしておくと、『若殿行状記』は内容から察するにおそらくシリーズの第一作目である。摂州尼ヶ崎四万石の松平遠江守の若殿、千代丸が、操り人形にも等しい大名暮らしを嫌い、夜な夜な江戸の街中へ抜け出し、そこで数々の冒険に出会うというのが大筋。『若殿行状記』では連作短編の形式をとっており、千...
- Category: 国内作家 城昌幸 07 14, 2005
- 城昌幸『若殿行状記』(桃源社)
- 城昌幸の時代物の連作短編集『若殿行状記』を読む。 主人公は摂州尼ヶ崎で四万石を召し取る松平遠江守の若殿、千代丸。堅苦しい大名の生活に嫌気が差し、夜な夜な屋敷を抜け出しては、お江戸の庶民の生活にたわむれるうち事件に遭遇し、持ち前の剣技と正義感の強さで困っている人を救うというお話し。本書には「五十両娘」「南蛮薬の謎」「悲願折鶴香炉」「風雲江戸屋敷」という四つの短編が収められている。 一読して思い出さ...
- Category: 国内作家 城昌幸 02 14, 2005
- 城昌幸『若さま侍活人剣』(桃源社)
- 本日も若さま侍シリーズから『若さま侍活人剣』。 先日読んだ『若さま侍活殺剣』とは桃源社の同じ叢書に収められている作品だ。そこで先日のような勘違いをしないよう、袖の紹介文と目次にはしっかりと目を通すことにする。すると案の定ワナが(笑)。 本書のタイトルは『若さま侍活人剣』だが、中身は長編「べらんめえ活人剣」と短編「呪えば穴二つ」の二作を収録したものであることが判明する。なぜ、長編の「べらんめえ活人...
- Category: 国内作家 城昌幸 02 13, 2005
- 城昌幸『若さま侍活殺剣』(桃源社)
- 『スパイダーマン2』をレンタル。相変わらず馬鹿ばっかりやってツッコミどころは満載。さすがサム・ライミ監督だけあって演出などは悪くないのだが、核融合装置の処理の仕方など噴飯もの。面白ければそれでいいって作り方は理解できるが……。 読了本は城昌幸の『若さま侍活殺剣』。 いきなりあまり本筋とは関係ない話になるのだが、本書はカバーの袖に宣伝文句というか粗筋が書かれている。まあ、これはよくある作り。で、そこ...
- Category: 国内作家 城昌幸 01 20, 2005
- 城昌幸『怪奇製造人』(国書刊行会)
- 何とか読書ペースが元に戻りつつある。本日は城昌幸の『怪奇製造人』を読了。国書刊行会版の短編集で、収録作はもうほとんど過去に読んだものばかりだが、何度読んでも素晴らしい。ある種の軽みというか透明感というか。テーマと文体が渾然一体となり、一瞬だけ儚く瞬くのである。その瞬きを見逃してはならないのだ。 「人生の怪奇を宝石のように拾い歩く」とは江戸川乱歩の言葉だが、まさに至言である。以下収録作。「脱走人に...
- Category: 国内作家 城昌幸 12 09, 2004
- 城昌幸『金紅樹の秘密』(講談社ロマン・ブックス)
- 激動の一週間、というほどのものではないが、ここまで仕事が慌ただしいのも久しぶりである。忙しいというよりも、バタバタしているという感じ。夜は夜で仕事絡みの忘年会。横浜は中華街まで出かけ、その後はカラオケ。 読了本は城昌幸の『金紅樹の秘密』。講談社ロマンブックス版(元本は講談社の書下し長編探偵小説全集)からの一冊。 いきなり横道にそれるが、講談社ロマンブックスやポケット文春に代表される昔の新書という...
- Category: 国内作家 城昌幸 09 26, 2004
- 城昌幸『月光の門 若さま侍捕物手帖』(講談社ロマンブックス)
- DVDレンタル。ヴァージニア・ウルフの『ダロウェイ夫人』をモチーフにした『めぐりあう時間たち』を観る。 まさに『ダロウェイ夫人』を執筆中のヴァージニア・ウルフ、1951年のロサンゼルスで『ダロウェイ夫人』を愛読する主婦、現代のニューヨークでダロウェイ夫人さながらの生き方をする女性編集者という、別々の場所、別々の時代に生きる三人の女性の一日を交錯させて描いた作品。各時代の状況を把握するのに手こずるが、い...