Posted in "国内作家 飛鳥高"
- Category: 国内作家 飛鳥高 10 21, 2005
- 飛鳥高『青いリボンの誘惑』(新芸術社)
- 人間ドック後の再検査の結果を聞きにいく。まあ、結果は良好でひと安心だったが、最近は病院へいくことが多すぎて、なんだか自分でもよくわからないときがある。来週の月曜などは二軒の病院をハシゴだから嫌になる。 読了本は飛鳥高の『青いリボンの誘惑』。著者が六十九歳にして久々に発表した長篇であり、今のところ最後の長篇でもある。 人生においてある程度成功を収めたものの、いま病院のベッドで横たわる老人がいる。彼...
- Category: 国内作家 飛鳥高 06 19, 2005
- 飛鳥高『死刑台へどうぞ』(ポケット文春)
- 少し前に読んだ『飛鳥高名作選 犯罪の場』の感想で、飛鳥高の作品は、ゲーム的な要素とメッセージ性がいいところでバランスをとっている、みたいなことを書いた(といっても、いかんせん読了数=サンプルが少ないので予想でしかないのだが)。 本日読み終えた『死刑台へどうぞ』では、そのバランスがだいぶ崩れ、社会派としてのカラーがかなり強く出た作品になっている。だが、いわゆる松本清張らに代表される正当的社会派とは...
- Category: 国内作家 飛鳥高 05 30, 2005
- 飛鳥高『飛鳥高名作選 犯罪の場』(河出文庫)
- 河出文庫の本格ミステリコレクションから『飛鳥高名作選 犯罪の場』を読む。かつて刊行された2つの短編集『犯罪の場』(光書房)と『黒い眠り』(小説刊行会)をまとめて収録した上に、単行本未収録の4作を追加したもの。古書価やレア度を考えると、超お買い得の一冊であろう。一応、アンソロジーではいくつか読めるものの、あらためて短編集にまとまる意味は大きいと思う。私もいくつか読んだはずなのだが、ちゃんと覚えている...
- Category: 国内作家 飛鳥高 05 25, 2005
- 飛鳥高『細い赤い糸』(講談社文庫)
- 飛鳥高の『細い赤い糸』読了。汚職や強盗など、4つの異なる事件が起こり、そしてそれぞれに不可解な殺人事件が発生する。なぜ彼らは殺されなければならなかったのか? 4つの事件をつなぐ細い赤い糸は何を意味するのか? これはいい。個人的にはかなりツボです。大作とはいえないし、ミステリとしての派手なトリックなどもない。だが丁寧な文章と巧みな構成に支えられ、ラストでは見事な着地を決めてみせる。とにかくラスト20ペ...