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 論創社の海外ミステリ『死を呼ぶスカーフ』読了。M・R・ラインハートに続くアメリカのHIBK派の女流作家、ミニオン・G・エバハートによる一冊。

 ファッション・モデルとして成功したイーデンは、故郷に住む親友のエイヴェリルから結婚式に招かれる。エイヴェリルの婚約者ジムはエンジニアであり、結婚式の前日には彼の開発した新型エンジンのお披露目も行われるという。ところが当日、その新型エンジンを搭載する飛行機が墜落し、載っていたエイヴェリルの叔父と整備士が死亡する。悲劇的な事故にもかかわらず、エイヴェリルの強い希望で結婚式は予定どおり行われることになったが、今度は結婚式に出席する一行を乗せた飛行機が不時着。外界から隔てられたその地で、さらなる悲劇の幕が開いた……。

 HIBK派はどうも生理的に受けつけない体質だと思っていたのだが、本作は意外に楽しむことができた。というのもやはり本格探偵小説もかくやという大胆な設定によるところが大きい。いわゆる「嵐の山荘」パターンだが、それが偶然ではなく、ある登場人物が犯人を捕まえるための罠として用いるというところがなかなか。
 また、訳者があとがきで解説しているように、本書はハーレクインロマンスばりに恋愛要素が強いが、この手のものを読み慣れていない人間には少し新鮮なところもある。例えばイーデンとエイヴェリルは親友同士だが、実はある男性をめぐって三角関係だった過去があり、それが時を経て再度繰り返されるという意地悪さ。表面は和やかだが、心の内には凄まじい対立心があり、それが徐々に表面化してくるところなどは、下手なホラーより怖い(笑)。初めて会った男女が数秒で恋に落ちるなど、こちらがハーレクインに対して持つイメージどおりの描写もあったりするが、まあ、笑って許せる範囲ではないだろうか。
 積極的にオススメはしないが、ロマンス好きのミステリファンなら。


テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



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