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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


Posted in "国内作家 小酒井不木"

Category: 国内作家 小酒井不木    01 04, 2020
小酒井不木『酩酊紳士』(湘南探偵倶楽部)
 湘南探偵倶楽部が復刻した短編の小冊子『酩酊紳士』を読む。元は高島屋の広報誌「百華新聞」で、昭和三年に掲載されたもののようだ。 ときは昭和三年頃、名古屋は鶴舞公園前駐在所に勤務する龜田(かめだ)巡査が深夜の巡回に出掛けたときのこと。鶴舞公園内を見回っていると、何やらベンチで二人の紳士が話し込んでいる。どうやら一人は龜田も知っている本田という会社員だが、かなり酔っており、もう一人の男が送っていく途中...

Category: 国内作家 小酒井不木    01 20, 2018
小酒井不木『疑問の黒枠』(河出文庫)
 小酒井不木の『疑問の黒枠』を読む。河出文庫から「KAWADEノスタルジック 探偵・怪奇・幻想シリーズ」の一冊として刊行された戦前の探偵小説。このシリーズも順調に刊行が続いているようで何よりだが、論創社が短編中心なので、こちらはぜひこういう長篇で攻めてもらいたいところである。 さて『疑問の黒枠』だが、こんな話。 名古屋で会社を営む村井喜七郎の死亡広告が新聞に掲載された。しかし、本人は死んでおらず、実はこ...

Category: 国内作家 小酒井不木    11 22, 2004
小酒井不木『小酒井不木探偵小説選』(論創ミステリ叢書)
 論創ミステリから『小酒井不木探偵小説選』読了。 この叢書のなかではメジャーどころに思えるが、本作に採られているのは、なんと不木がデビューしたての頃に書いていたジュヴナイルのみ。だからといって只のマニア向けの一冊かというとそんなことはない。ジュヴナイルとはいっても堂々たる本格であり、しかも天才少年・塚本俊夫君を探偵役にしたシリーズものなのである。大人向けのものを書くようになってからは、かえって本格...

Category: 国内作家 小酒井不木    09 13, 2003
天瀬裕康・長山靖生/監修『叢書新青年 小酒井不木』(博文館新社)
 天瀬裕康・長山靖生両氏の監修による『叢書新青年 小酒井不木』読了。 これは拾遺集的なものと言えるのだろうか。最近、意識的に不木の作品集を読んできたし、アンソロジーに収められているものも多少は読んだはずだが、本書ではほとんど読んだことがない作品ばかり並ぶ、っていうか読んだことがあるのは一作だけという素晴らしさ。 ただし、さすがにこれまで大きく採り上げられない作品ばかりなので、出来の方はそれほどでも...

Category: 国内作家 小酒井不木    08 13, 2003
小酒井不木『大雷雨夜の殺人』(春陽文庫)
 春陽文庫の<探偵CLUB>から小酒井不木を読む。 最近いくつか読んできた不木の短編集は傑作を集めたものばかりだったが、本書は春陽堂書店が過去に出版したものを文庫として復刊したもの。したがっていわゆる傑作選とは異なり、玉石混淆の可能性がすこぶる高いわけだ。 以前、ちくま文庫の『怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 恋愛曲線』の感想で、国書刊行会の『人工心臓』と収録作がだぶっているのは傑作ばかり、と書い...

Category: 国内作家 小酒井不木    07 30, 2003
小酒井不木『殺人論』(国書刊行会)
 マイブームでもないんだけど、最近ぼちぼちと読み続けている小酒井不木。本日の読了本は犯罪評論集の『殺人論』。しかし先日読んだ『犯罪文学研究』は良かったのだが、残念ながらこれは私的にダメでした。 犯罪を歴史的・文学的・心理的・法医学的などなど様々な側面から論じた本書だが、当時の偏見や研究不足な部分もあって、真っ向から読んでいくとかなり辛いものがある。当時の犯罪に関する風俗や考え方を知るうえでは役に立...

Category: 国内作家 小酒井不木    07 23, 2003
小酒井不木『怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 恋愛曲線』(ちくま文庫)
 なんだか体も心も疲れ果てて休みをとることにする。といっても朝まで会社で仕事をしていたので、とても休日という感覚ではなく、ちょっと買い物に出た以外は家でごろごろ。先週見逃した『マイノリティ・リポート』を再び借りてきて観たり、本を読んだり。 ちなみに『マイノリティ・リポート』は、タイムトラベルものとかにありがちな矛盾がやっぱり此処彼処に見受けられたが、それでも娯楽作品としては十分楽しめる。SFアクショ...

Category: 国内作家 小酒井不木    07 07, 2003
小酒井不木『犯罪文学研究』(国書刊行会)
 小酒井不木は創作に入る以前から、「新青年」などに寄稿していたバリバリの犯罪文学愛好者だった。元々は専門分野である医学関係のエッセイをいくつか書いていたらしいが、犯罪学に興味を持ち歴史や文学にも造詣の深い不木の原稿は、ただの医学エッセイとは異なり、犯罪文学愛好者の目をも引いたらしい。やがてそれが当時の新青年編集長である森下雨村の目にとまり、本格的に文筆の道へ進んでいくことになる。時代的にもまだ江戸...

Category: 国内作家 小酒井不木    06 25, 2003
小酒井不木『人工心臓』(国書刊行会)
 雨が降ったり止んだり、さすが梅雨です。どうでもいいことだが、私は傘を持つのがとてつもなく嫌いで、ましてや雨が降ってもいないのに、用心のために傘を持って家を出ることなど考えたこともない。しかし、そのくせ濡れるのは嫌なので、勢い外出先で雨にたたられると、しぶしぶ傘を買う羽目になる。そんなわけで自然、安物傘だけは増えてしまい、愚かにも今週はすでに2本も購入済みである。これで会社には6本、自宅には3本か……...

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プロフィール

sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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