Posted in "海外作家 ブレイク, ニコラス"
- Category: 海外作家 ブレイク, ニコラス 10 10, 2015
- ニコラス・ブレイク『死の翌朝』(論創海外ミステリ)
- ニコラス・ブレイクの生んだ私立探偵といえばご存じナイジェル・ストレンジウェイズ。オックスフォード大学出身(ただし退学)で、各地を放浪して語学を身につけたという設定ながら、基本は教養豊かな常識人。スコットランド・ヤードのブラント警部と親しくしていることから、しばしば事件捜査に協力するようになり、心理学的なアプローチで犯人を突き止めてゆくのが特徴。 そんなナイジェル・ストレンジウェイズの活躍する作品...
- Category: 海外作家 ブレイク, ニコラス 03 15, 2015
- ニコラス・ブレイク『短刀を忍ばせ微笑む者』(論創海外ミステリ)
- ニコラス・ブレイクの『短刀を忍ばせ微笑む者』を読む。ナイジェル・ストレンジウェイズのシリーズではあるが、主人公はナイジェルではなく奥さんのジョージア。しかも内容も本格ミステリではなく、スパイスリラーという異色作である。 こんな話。都会の喧騒を逃れ、田舎に引っ越してきたストレンジウェイズ夫妻は、ある日、自宅の近くでロケットを拾う。その中にはE・Bと記された英国国旗と美しい女性の写真が入っていた。数日...
- Category: 海外作家 ブレイク, ニコラス 04 30, 2012
- ニコラス・ブレイク『くもの巣』(ハヤカワミステリ)
- ニコラス・ブレイクの『くもの巣』を読む。探偵役のナイジェル・ストレンジウェイズは登場しないノン・シリーズもの。 田舎から出てきて帽子屋で勤めるデイジーは、あるとき配達の途中でヒューゴー・チェスターマンという青年と知り合う。無邪気で奔放すぎるところはあるが、その率直で明朗な性格に惹かれるデイジー。だがやがて知るヒューゴーの正体。彼の仕事はなんと泥棒だったのだ。 ショックを受けるデイジーだったが、ヒ...
- Category: 海外作家 ブレイク, ニコラス 04 01, 2012
- ニコラス・ブレイク『ワンダーランドの悪意』(論創海外ミステリ)
- ニコラス・ブレイクの『ワンダーランドの悪意』を読む。『不思議の国のアリス』をモチーフにした本格ミステリで、何となくだがエイプリルフールにはちょうどいい読み物だったかもしれない。 こんな話。〈ワンダーランド〉と名付けられた休暇用キャンプ。人々が仕事の疲れをほぐし、束の間の休息を楽しむこの場所で、事件は起きた。海で泳ぐ人の足を引っ張ったり、テニスボールに糖蜜をかけたり、ベッドに動物の死骸が置かれたり...
- Category: 海外作家 ブレイク, ニコラス 09 02, 2008
- セシル・デイ・ルイス『オタバリの少年探偵たち』(岩波少年文庫)
- セシル・デイ・ルイスといえば英国の著名な詩人であり、かつては詩人として最高の称号である「桂冠詩人」の地位を授かった人物。といっても日本でその名を知っている人は、文学関係者以外あまりいないのではあるまいか。むしろ有名なのは、本格探偵小説を書く際のペンネーム、ニコラス・ブレイクであろう。 本日の読了本は、そのブレイクが本名のセシル・デイ・ルイス名義で書いたジュヴナイル『オタバリの少年探偵たち』。 オ...
- Category: 海外作家 ブレイク, ニコラス 10 18, 2004
- ニコラス・ブレイク『死の殻』(創元推理文庫)
- 『野獣死すべし』があまりに見事で有名すぎるため、逆に他の作品がそれほど知られていないニコラス・ブレイク。『野獣死すべし』は派手だがあくまで例外、その他の多くの作品は作風も地味で、それが知名度の落ちる大きな要因のひとつといえるだろう。 しかし、豊かな人物描写や渋いけれども考え抜かれたプロット、意外な真相という数々の長所は、読まなかったことを後悔させるに十分な水準をキープしている。 ただ、ミステリ歴...
- Category: 海外作家 ブレイク, ニコラス 02 27, 2004
- ニコラス・ブレイク『旅人の首』(ハヤカワミステリ)
- ニコラス・ブレイクの『旅人の首』読了。 いやぁ、ニコラス・ブレイクはいい。英国の古き良きミステリを堪能しようと思うなら、クリスティやセイヤーズもいいのだが、個人的にはニコラス・ブレイクに軍配を上げたい。若い頃に読んだ作品ではあの傑作『野獣死すべし』以外印象に残らなかったのだが、今考えると、いったい自分は何を読んでいたのかと思う。 確かにパズラーとしては他の大御所ほど強烈なトリックを生みだしたわけ...
- Category: 海外作家 ブレイク, ニコラス 01 11, 2003
- ニコラス・ブレイク『悪の断面』(ハヤカワ文庫)
- 雪降り仕切るクリスマス後の田舎町。そのとある旅館で休暇を楽しむラグビー博士一家の姿があった。博士は物理学の権威で、実は東西情勢を大きく左右するほどの大発明を収めたばかりである。しかし、ソ連はその発明を妨害するため、いち早くスパイをその地に送り込んでいた。ラグビー博士の娘を誘拐し、身代金代わりにその発明の公式を入手しようというのだ。事前にラグビー博士の護衛についていた私立探偵ナイジェル・ストレンジ...
- Category: 海外作家 ブレイク, ニコラス 12 25, 2002
- ニコラス・ブレイク『秘められた傷』(ハヤカワミステリ)
- 会社の大掃除&仕事納め。世間様よりちょっと早いのは、なんと明日から会社の慰安旅行で木・金と札幌に行くからである。 読了本はニコラス・ブレイク最後の長編にあたる『秘められた傷』。 時は第二次世界大戦の直前。駆け出し作家のドミニック・エアはアイルランドを旅行中、ひょんなことから、シャーロッツ・タウンという小さな町に住むことになる。家を提供してくれたのは、先の大戦での英雄だが、今は身を持ち崩している牧...