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 仕事の関係で、幕張で行われている東京ゲームショー2004に出かける。ここ数回のなかでは最も活気があったかもしれない。ドラゴンクエストVIIIや新ハードのPSP、DS等が年末に控えていることがやはり大きい。業界にとってはいいことです。

 家に帰ると、エミルオンから刊行されたドイル小説全集の第1巻『緋色の研究』、第2巻『クルンバー館の謎』が届いていた。装丁は大学の教科書っぽい雰囲気で、変に凝ってない分好感がもてる上品な出来。今後、刊行の度に送られてくるのだが、また楽しみが増えました。
 ところでこのコナン・ドイル全集。今月の本の雑誌で紹介されていたとおり、コナン・ドイルの翻訳で知られる笹野史隆氏がその全小説をすべて単独で訳し、娘さんがそのために興した会社で刊行するという、一家総出で乗り出した一大事業である。
 値段は少々高めだが、100部限定ということであればこれは仕方あるまい。なんせ注文が少なくなれば刊行中止もあるというのだ。とにかく最後まで頑張ってほしいものである。

 読了本はスタンリー・ハイランドの『国会議事堂の死体』。
 英国国会議事堂の時計塔ビッグ・ベンの改修工事中に、壁の中から死体が発見される。死体は後頭部を打ち砕かれていたが、すでにミイラ化しており、およそ100年前のものと推定された。事件に興味を感じた若手議員ヒューバート・ブライは調査委員会を組織し、謎の解明に乗りだすが……。

 前半は委員会の面々がさまざまな資料を集め、それをもとに推理を披露しあうという展開。『時の娘』+『毒入りチョコレート事件』風とでもいおうか、一応は歴史ミステリ仕立て。
 しかし後半に入ると、些細な事実からそれまでの推理が一気に崩壊する。ある意味、真相が明らかになるクライマックスより、このシーンの方がミステリとしては魅力的かもしれない。また、そうはいいつつも、真相も十分に魅力的である。
 ただ残念ながら物語の六割は占めようかという議員たちの推理合戦が、個人的にはなんとも退屈。そもそも机上の論理に終始しがちな歴史ミステリをあまり好きでないこともあるが、特に歴史的な人物を対象にしていないこともあって「誰がアクロイドを殺そうが」的気分に襲われる。おまけに稚気あふれるはずの国会議員のやりとりがそれほど楽しめないのも辛い。
 本格好きなら前半を我慢してでも読む価値はあるが、たんなるミステリ好きには、この前半が耐えられるかどうか微妙なところだ。私はかろうじて。


テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



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