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 どうやら梅雨明けらしいが、蒸し暑かったわりには雨は思ったほどではなかったようだ。あまりの暑さに、日々エアコンをつけっぱなしで寝るかどうかで悩んでいるのだが、本を読みながらそのまま眠りに落ちてしまうことが多いため、結局はつけたまま寝ることの方が多い気がする。今年は体、壊しそう。

 読了本はC・W・グラフトンの『真実の問題』。あのスー・グラフトンの父上ですな。作風はまったく違ううえ、作家としては娘の方が大成したようだが、こうして遅まきながら翻訳が出たということは、それなりに見るべきものはあるはず。と、思いたい(笑)。

 主人公は若手弁護士のジェス。姉と結婚した義兄が共同経営している法律事務所に勤めているが、その姉夫婦は独立して地元を離れることになった。お別れパーティも終わったその夜、仕事のメモ用紙を忘れたジェスは、姉夫婦の家に引き返す。ところがそこで、ジェスは義兄が実姉マーセラを騙したことを知り、思わず手元にあった金属製の卓上ライターで殴り殺してしまう。
 ジェスはすぐに警察へ自白したが、当初警察はそれを信じようとしなかった。第一容疑者と目されていた姉をかばってのことだと思ったのだ。だが結局、目撃者の証言などからジェスは逮捕され、裁判が始まった。そこでジェスは被告人自ら弁護士となり、一転して自分の無罪を主張し始めたのだった。

 一応は法廷もの。かなりひねくれた設定だが、次から次へと小事件を起こし、読者を飽きさせない工夫はなかなかのものである。興味の繋ぎ方が巧みというか、読んでいる間は十分に楽しめ、法廷に場を移しても、ジェスがどうやって無罪を勝ち取るのか、盛り上げ方もうまい。
 ただ、それだけに無罪となる根拠の弱さが目立ち(そもそも起訴するための要件も弱いのだが)、拍子抜けの感は強い。事件の鍵となるライターの件や、最後のシーンなども上手いとは思うのだが、あの長さを引っ張るだけのオチではないだろうというのが正直なところ。法廷でのどんでん返しを期待したこちらが悪いのかもしれないが。でも読んでおいて損はないとも思えるし……微妙な一冊。


テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



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