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 スティーヴン・キングの『不眠症(下)』読了。
 いやいや、やっぱりキングです。上巻では濃密な描写の連続で少々かったるかったが、下巻はほぼ一気に読ませるアップテンポな展開。刊行当時は「老人版IT」などと評されていたようだが、確かに普通の老人が不思議な力を得て、仲間と共にダークサイドに立ち向かうというのは、「IT」そのもの。まず文句なしに楽しめるキング節全開の快作といえるだろう。

 ただし。ただしである。クライトンと同様、これだけキングを読んでくると、お決まりの展開に少々食傷気味なのも事実。キングの作品はどれも長大なだけに、かなりの時間を割いて読んでいるわけだが、読後の印象がいつも同じというのは悲しい気がする。
 そういえば、キングはあと何作か書いた後に執筆を止めるみたいな話をどこかで読んだ覚えがあるが、あれはどうなったんだろう? もしそれが本当なら、最後にとんでもない試みにチャレンジするとかやってもらいたいものだが。


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 判型がでかい上に分厚すぎるゆえ、どうしても後回しになるキングの新刊。『不眠症』も長らく積ん読だったが、正月休みを利用してついに着手することにした(といっても休みは今日で終わりだが)。

 主人公は日ごとに睡眠時間が短くなっていくという奇妙な不眠症に悩まされる老人。そして、それと平行して彼の周囲で奇妙な事件が起き始める……。
 相変わらずキングの書き込みが半端ではなく濃く、上巻では先述した主人公周辺の動きがみっちりと書き込まれている。特に序盤はあまり大きな動きもないため少々かったるく感じられてしまうが、まあ、これは毎度のことだし(笑)。その分後半に期待しつつ、下巻に突入。


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 スティーヴン・キング『ドラゴンの眼(下)』読了。
 剣と魔法とドラゴンの正当派ファンタジーだが、実は読む前にひとつ気になることがあった。この作品は本当に愛娘のために書いた子供向けの作品なのか、ということである。というのも表面的にはジュヴナイルを装っていても、その実体はある種の毒と批判を含む大人のための物語、という作品も世の中にはごまんとあるからだ。第一キングはもともとダークファンタジーとも言うべき作品を書く作家。自分の子供のためとはいえ、あえてストレートなファンタジーを書く意義を自己のなかに見いだせたのだろうか? そんな疑問があった。

 まずはストーリーから。
 舞台は老王ローランドが治世する平和な国デレイン王国。ローランドにはピーターとトマスという二人の王子がいた。父と母のよきところを受け継ぎ、ドラゴンの心を持つ勇敢な王子と讃えられる兄のピーター。そして父親にそっくりな弟のトマスである。トマスも決してだめな王子ではないが、いかんせん兄が立派すぎた。いつしかトマスは兄を恨むようになる。そしてこのトマスにつけ込み、王国の支配をもくろむ一人の男がいた。それが魔術師フラッグである。何百年にわたって王国に災いの種を蒔き、そしていままたピーターに牙を剥こうとしていたのだ……。

 結論から言うと面白い。さすがはキング。物語はいつもほど複雑ではなく、キャラクターもかなり単純化してはいる。しかし複雑ではないといっても伏線の張り方などは手慣れたもので、逆にいつもの大人向けのものより構成がしっかりしているほどだ(ただし上巻はやや構成がぎこちなく、描写があざといという感じを受けた。まあ、これらは毎度のことではあるが)。

 そこで最初の疑問の答が出る。キングは自分の愛娘のために面白い話を作ろうとしたが、決してわざわざ子供向けに内容まで変えるつもりはなかったということだ。
 一応、子供が読んでも理解できるような構造にはなっているし、いつものエキセントリックで下品なキング節はさすがに控えている(とはいってもたまには顔を出すが)。しかし、そこで語られる内容は、やはり強烈な毒を含んでいる。例えばトマス王子に関するエピソードはどれもほろ苦いものばかりだし、これが大人向けだったらもっと悲惨な役どころになっていたかもしれない。デニスという若い執事の存在も興味深い。掘り下げれば面白いテーマがいろいろと見え隠れするのだ。
 結局、誰に向けて書こうが関係ないのだ。キングが考える面白い「お話」には大人向けも子供向けもなく、そんな策を弄する必要もない。キングはキングなのである。

 ちなみに本作は「暗黒の塔」シリーズや「タリスマン」と登場人物名がいろいろとリンクしており、外伝として捉えることもできる。この事実自体が本のポジションを語っているといってもよいだろう。


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 キングが愛娘のために書いたという唯一のジュヴナイル、『ドラゴンの眼(上)』を読む。ちょっと前半はあざとい感じもするが、詳しくは下巻読了時に。


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 本日も出勤。久しく休みらしい休みをとっていない気がする。休みとかいっても徹夜明けとかばっかり。昼間寝てしまったら終わりじゃん。

 本日の読了本はスティーヴン・キング『ファイアスターター(下)』。
 まあまあ面白かったけれど、いろいろ不満もあるなぁ。
 上下巻とはいえ、最近の作品ほどのボリュームはないので、ずいぶんすっきりした印象を受ける。ただしキングの場合、総じて初期の作品ほど構成がしっかりしているものの、その分コクが少ない気がするのだが、どんなもんだろうか?

 この作品は不要な超能力をもったチャーリーが、世界(世間)とどのように折り合いをつけるかがメインテーマである。そしてそのテーマのなかに個と国家の関わり、科学の意義、マイノリティの問題、性的な問題などが見え隠れする。基本はエンターテインメントなので、深読みするのも単純に楽しむのも読者の自由だ。ただ、キング自身が書き込むべきところをすっ飛ばして書いているため、どうにも中途半端である。シーンのひとつひとつが弱い、とは言い過ぎだろうが、あまり突っ込まずありがちな形で落ち着いている。それが、コクが少ない、と感じた理由でもある。
 「そんな偏屈な読者にならず、もっと単純に楽しんでよ」とキングが考えていたかどうかは知らないが、ラストを読む限りではキングだって読者に問いかけているのだ。あなたならチャーリーとどうつきあうのかと。あれではハッピーエンドとは言えないし、チャーリーに明るい希望があるのかどうかもハッキリとはしていない。あそこで読者が何らかの自分なりの答えを見つけないと、読んだ甲斐がないというものだ。
 つまり、その問いを読者に投げかけながら、その問い自体が説明不足だった。『ファイアスターター』はそんな作品ではなかったかと。面白いことは面白いんですけどね。


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 本日の読了本はスティーヴン・キング『ファイアスターター(上)』。
 ホラー界の大御所キングは全作読みたい作家の一人だが、初期の読み残しがけっこうある。その落ち穂拾いの一冊。
 詳しい感想は下巻読了後になるが、主人公の少女チャーリーがその超能力を発揮するまでの盛り上げ方は圧巻。やはりキングは面白い面白すぎる。ああ、早く下巻を読まねば。


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 将来のホームページ開設に向けて、今日から日記をつけることにする。しかし日記をつけるなんて小学生時代の絵日記以来。おまけに人に見せることを前提にした日記なので、どういうふうに書いていけばいいのか、ちょいと悩んだりもしたが、ま、いいや。基本的には買った本、読んだ本を中心にして、それにミステリに関する雑感などをだらだら書いていくしかないか。

 さて記念すべき最初の一冊は、スティーヴン・キング作『小説作法』。
 内容の方はといえば、前半はキングが作家として成功するまでの自伝的お話、後半がキングが考えている小説の在り方について書かれている。
この本がいわゆるハウトゥ本と違うのは、やはり読ませるテクニックであろう。自著の創作裏話と絡ませながら進めるその文章論、小説論はためになる、というよりはやはり面白いという感想が先にたつ。しかし「本を読まない作家は信用できない」、なんてセリフが出てきたりするから油断はできない。ためになって面白い、という見本のような一冊だ。

 ただ、私が一番興味を持って読んだのは、お終い近くの交通事故の部分。キングは2001年に車にはねられるという大事故に遭うのだが、事故の顛末とその体験によって生まれた死生観が語られている。
実は私も幼稚園の頃に交通事故に遭い、3ヶ月の入院生活と3年間の通院生活を余儀なくされた過去を持つ。もちろんガキの頃なのでキングほどいろんなことを考えていたわけではないが、理不尽なものを常に感じていたこともまた事実。食べたいものが食べられない。体育は見学。小学一年生の1学期は全休、それによる疎外感などなど。
まあ、この経験がバネになった気もしないではないが、子供の頃の肉体的ハンディはやはり辛い。小説作法とは全然関係ない話だが、私もそういう経験があるだけに、やはり死と直面した人の体験談は読まずにはいられない。ましてやそれが好きな小説家の話とあっては。

 ああ、正月に書く1日目の日記だというのに、どんどん暗い方向に(笑)。とりあえずこんな感じで日記の方は進めていこうと思うので、今後ともどうぞご贔屓に。


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