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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


Posted in "海外作家 ロード, ジョン"

Category: 海外作家 ロード, ジョン    11 08, 2022
ジョン・ロード『デイヴィッドスン事件』(論創海外ミステリ)
 かつて退屈派と揶揄されたジョン・ロード。実際、我が国で訳された作品にもそのようなものがあったことから、遅々として紹介が進まなかったが、近年になってようやく状況が改善されつつあるようで喜ばしい。 私見だが、ロードの作品のキモは論理性にある。情報を集め、それらをもとに推論を重ね、事件を論理的に解明する過程こそが読みどころなのだ。ストーリーやトリック、雰囲気作りなどにはそこまで興味がなかったようで、残...

Category: 海外作家 ロード, ジョン    04 07, 2019
ジョン・ロード『クラヴァートンの謎』(論創海外ミステリ)
 何度かこのブログでも告知したけれど、論創海外ミステリから出たジョン・ロード『クラヴァートンの謎』で解説を書かせていただいた。幸い、作品自体はまずまず好評のようでよかったが、やはりクイーンやクリスティのようなメジャー作家ではないため、そもそも取り上げられること自体が少ないのが残念。 というわけで今回は宣伝も兼ね、版元の了承を得て、解説を転載させていただくことにした。※本稿では『クラヴァートンの謎』...

Category: 海外作家 ロード, ジョン    09 17, 2018
ジョン・ロード『吸殻とパナマ帽』(東京創元社)
 ジョン・ロードの『吸殻とパナマ帽』を読む。 本書は東京創元社の〈現代推理小説全集〉の一冊として刊行されたもの。先日の『電話の声』同様、ひとりジョン・ロード祭りの一環だが、とりあえずこれで手持ちの邦訳ジョン・ロードは打ち止め。新生堂〈世界名作探偵小説集〉からクロフツ等との併録で出た『トンネルの秘密』が唯一未所持だが、ページ数から予想するに抄訳っぽいし、これはそのうち縁があれば、というところか。 さ...

Category: 海外作家 ロード, ジョン    09 12, 2018
ジョン・ロード『電話の声』(東京創元社)
 ジョン・ロードの『電話の声』を読む。論創海外ミステリから出た『代診医の死』、同じくマイルズ・バートン名義の『素性を明かさぬ死』の二冊でかなりジョン・ロードを見直したこともあって、この勢いでついでにロードの長年の積ん読を消化しようと考えた次第。 『電話の声』は東京創元社の〈世界推理小説全集〉の第六十巻として1959年に刊行されたもの。この1950年代、ロードの邦訳は本書に加え、『エレヴェーター殺人事件』、...

Category: 海外作家 ロード, ジョン    09 08, 2018
マイルズ・バートン『素性を明かさぬ死』(論創海外ミステリ)
 マイルズ・バートンの『素性を明かさぬ死』を読む。先日読んだ『代診医の死』の著者、ジョン・ロードの別名義作品である。まずはストーリー。 英国の片田舎、テンタリッジ村で別荘を構え、農園を楽しむために週末を過ごすジェフリー・メープルウッド。あるとき地主でもある甥のバジルが訪ねてきたが、翌朝、バジルは密室状態のバスルームで死亡したところを発見される。 事故、自殺、それとも他殺? 判別がつかないため、事件...

Category: 海外作家 ロード, ジョン    09 01, 2018
ジョン・ロード『代診医の死』(論創海外ミステリ)
 ジョン・ロードの『代診医の死』を読む。ジョン・ロードといえば百冊以上のミステリを残した黄金時代を代表する本格探偵小説作家の一人。ただし、その地味な作風が災いして没後には“退屈派”というありがたくない異名をつけられ、日本でもまったく人気のない作家である。その膨大な著作数に比べると翻訳された数はあまりに少なく、そもそも作品がいまいちなので稀に新刊が出てもそのあとが続かない。 著者の最高傑作として紹介さ...

Category: 海外作家 ロード, ジョン    08 07, 2016
ジョン・ロード『ラリーレースの惨劇』(論創海外ミステリ)
 ジョン・ロードの『ラリーレースの惨劇』を読む。おなじみ論創海外ミステリからの一冊。 まずはストーリー。王位自動車クラブが主宰する英国ラリー大会。ロバートは友人のリチャード、さらにはナビゲーターとしてプリーストリー博士の秘書ハロルドとチームを組み、上位入賞を狙っていた。 ところが霧のせいでチェックポイント通過は大幅に遅れ、挙句に溝に脱輪したラリーカーを発見する三人。おまけにその事故現場では死体まで...

Category: 海外作家 ロード, ジョン    04 07, 2007
ジョン・ロード『ハーレー街の死』(論創海外ミステリ)
 本格探偵小説の黄金時代を代表するわりには、長らくいまいちの評価しかされていないジョン・ロード。その理由の大部分は「話が退屈」「トリックがぱっとしない」「キャラクターも地味」といったところだろう。 そんな作者にとっては不本意な評判が、この新刊で覆るのか。帯のキャッチ「最高傑作ついに翻訳なる!」はどこまで信じられるのか。 本日の読了本は、その『ハーレー街の死』だ。(今回ややネタバレあり) タイトルど...

Category: 海外作家 ロード, ジョン    10 25, 2003
ジョン・ロード『プレード街の殺人』(ハヤカワミステリ)
 神保町交叉点で古本青空市用の土台を組み始めているようだ。来週はいよいよ古本祭りか。でも相変わらずといえば相変わらずだが、仕事がけっこう立て込んでいて、果たして見て回る余裕があるかどうか。 ミステリ黄金期を代表する作家として有名なジョン・ロード。しかし日本ではもうひとつ評価が低く、百冊以上の作品があるというのに邦訳で読める作品はほとんどなく、現在でも容易に入手できるのは『プレード街の殺人』(ハヤカ...

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プロフィール

sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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