阪神優勝。別にファンじゃないから関係ないが、巨人よりは全然よい。
ディーン・R・クーンツの『ぬいぐるみ団オドキンズ』読了。もしかしたら、のっけからネタバレかも。
命を持つぬいぐるみ「オドキンズ」の面々。彼らは話すことも動くこともできる魔法の生命を備えた不思議なぬいぐるみだ。彼らの役目は、買ってくれた小さな子供たちの側にいて、秘密の友だちになること。
誰もが小さな頃はぬいぐるみが友だちだった。子供なりの悩みや嬉しいことを一緒に感じたり話し合ったりできる、初めての友人だ。でも大人になるにつれ、人はそれが自分の空想の産物だったと思うようになる。でも、それは空想なんかではなく、ホントにあったことだったのだ。
この物語は、そんなオドキンズたちを作ってくれたおじいさんが亡くなるところから幕を開ける。さあ大変。オドキンズたちは自ら跡継ぎとなるおもちゃ職人を呼びに行かなくてはならない。オドキンズたちは勇気を出して街へ繰り出した。
だが、そのオドキンズたちの跡を追う、怪しげなおもちゃの一団があった。おじいさんがなくなったことで、一時的に聖なる封印が弱まり、悪のおもちゃたちが甦ってしまったのだ。新たにおもちゃ職人がやってきては、再び彼らは封印されてしまう。悪のおもちゃたちとオドキンズの対決の時が刻々と迫るーー。
この設定を考えつくだけで、クーンツのロマンチストぶりがうかがえようというもの。しかも児童書とはいえ、クーンツのいつもの持ち味はしっかりキープしており、児童書ならではの抑えた描写はあるものの手抜きは感じられない。スピーディーな展開、文字どおり立っているキャラクター(笑)、手に汗握るアクション。そして感動のラスト。
確かに大人が読むには深みの点で物足りなさは残るだろう。もちろん勧善懲悪が覆ることなどあるはずもない。だが面白いものは面白い。児童書を褒めるときの常套句だが、やっぱり使わせてもらおう。子供だけに読ませるのはもったいない。