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 連休の最終日に風邪でダウン。激しい下痢に見舞われて三九度近い発熱に自分でもびっくりする。もちろん一日中寝込んでいたが、せめて軽い話ならばと引っ張り出したのがウィリアム・コツウィンクルの『名探偵カマキリと5つの怪事件』。なんと虫の世界を舞台にしたホームズのパロディだ。
 本書はしばらく前に早川書房から創刊された児童向けの叢書「ハリネズミの本箱」の一冊で、この叢書にはディーン・クーンツの作品も入っていたりして、さすがはミステリ&SFを専門とする版元らしいセレクトがうかがえる。今後のラインナップもちょっと気になります。

 さて中身だが、主人公はスマートで知的なカマキリ探偵と甘い物には目がないバッタ博士。この名コンビが、虫の世界で起こる数々の難事件を解決してゆく連作集である。
 ホームズ臭は思ったほど強くなく、設定だけを借りてきたような感じで、事件そのものは虫の特性などを上手く利用しているので、この物語のオリジナリティ性は高い。また、バッタ博士のキャラクターはかなり笑わせてくれるし、全般にユーモア度も高い。そのくせちょっと考えさせられる部分もあったりして、こりゃ子供だけに読ませるのはもったいない話である。子供向けと侮るなかれ。読んで損はしない作品である。

 ちなみに作者のウィリアム・コツウィンクルという人はミステリやSF、ファンタジーとなんでもござれの才人らしく、著作は40作以上にのぼり、未訳の『Doctor Rat』では世界幻想文学大賞まで受賞しているので実力は折り紙付き。日本でも『バドティーズ大先生のラブ・コーラス』や『ファタ・モルガーナ 幻影の王国』、『時のさすらい人』、『ホット・ジャズ・トリオ』などが邦訳されており、SF界では知られている人らしい。ただ、一番売れたのが『E.T.』のノヴェライズというのは苦笑するしかないが、それにしたって映画より内容が優れていると評価されたほどで、その続編にあたる『E.T.グリーン・プラネット』も執筆している。
 それだけ力を評価され、ベストセラーを出した著者だが、それでも後年に『スーパーマン III—電子の要塞』なんていうノヴェライズも出しているのだが、これはいかがなものか(笑)。


テーマ:児童書 - ジャンル:本・雑誌



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