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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


Posted in "国内作家 大阪圭吉"

Category: 国内作家 大阪圭吉    08 21, 2021
大阪圭吉『村に医者あり』(盛林堂ミステリアス文庫)
 大阪圭吉の『村に医者あり』を読む。大阪圭吉が地元の豊橋同盟新聞に依頼され、昭和十七年に『ここに家郷あり』という題名で連載した作品である。その翌年には単行本化されたが、それから八十年近くを経て、盛林堂ミステリアス文庫で『村に医者あり』と改題されて復刻された一冊。 戦時下の東京を急行列車で発ち、一路故郷を目指す一人の青年医師、倉松志氣太。その大きな理由は村で唯一の医院を開業する父の跡を継ぐためであっ...

Category: 国内作家 大阪圭吉    08 31, 2020
大阪圭吉『勤王捕物 丸を書く女』(盛林堂ミステリアス文庫)
 大阪圭吉の短編一作を収録した小冊子『勤王捕物 丸を書く女』を読む。かつて名古屋新聞社出版部が発行していた雑誌「にっぽん」に掲載されたものを、盛林堂ミステリアス文庫で復刻したもの。全七作からなる「弓太郎捕物帖」シリーズの一作でもある。  夕暮れ時のこと。軒先に丸を書いて歩く不審な女を見つけた岡ッ引の銀次はさっそく追跡を始めるが……。果たして丸の意味は? そして女の目的は? 二つのミステリ的仕掛けがあ...

Category: 国内作家 大阪圭吉    01 26, 2020
大阪圭吉『砂漠の伏魔殿 大阪圭吉単行本未収録作品集3』(盛林堂ミステリアス文庫)
 今月はプライベートでも仕事でもいろいろと大きな出来事があって、なかなか心身ともに休まらない。今日などは久々にゆっくりできたはできたのだが、今週も大きな会議やら接待やら、おまけに関西出張まであって、まことに忙しないかぎり。もうしばらくは我慢である。 そんな状況にあっても、とりあえず本は読む。本日の読了本は『砂漠の伏魔殿 大阪圭吉単行本未収録作品集2』。盛林堂が進めている大阪圭吉の単行本未収録作品集の...

Category: 国内作家 大阪圭吉    06 04, 2019
大阪圭吉『マレーの虎 大阪圭吉単行本未収録作品集2』(盛林堂ミステリアス文庫)
 盛林堂ミステリアス文庫から刊行されている「大阪圭吉単行本未収録作品集」の二巻目『マレーの虎』を読む。まずは収録作。「隆鼻術」「事実小説 マレーの虎」「明朗小説 青春停車場」「北洋小説 アラスカ狐」「夜明けの甲板」「小説千字文 明るい街」  ミステリ珍本全集から出ている『死の快走船』を読んだときの感想で、大阪圭吉の本質や探偵小説史における立ち位置などはもう一度整理してみてもよいのでは、なんてことを書い...

Category: 国内作家 大阪圭吉    01 27, 2019
大阪圭吉『花嫁と仮髪 大阪圭吉単行本未収録作品集1』(盛林堂ミステリアス文庫)
 ようやくひと山超えた感じでぼちぼち読書ペースも上げていきたいところ。景気づけというほどでもないが、ちょうど発行されたばかりのミステリマガジン最新号を読んでいるとウィリアム・ゴールドマンとブライアン・ガーフィールドの訃報が載っていて、少しへこむ。まあ、どっちもそれほどよい読者ではないのだけれどゴールドマンの『殺しの接吻』はオフビートな犯罪小説ですごく楽しめたし(恥ずかしながら『マラソンマン』は未読...

Category: 国内作家 大阪圭吉    10 05, 2014
大阪圭吉『死の快走船』(戎光祥出版)
 ミステリ珍本全集から大阪圭吉の『死の快走船』を読む。 これまで珍本全集で刊行されてきた山田風太郎や輪堂寺耀、栗田信は内容的に"珍本"という言葉がふさわしかったが、大阪圭吉クラスになるともう古書の存在すら珍しいわけで。本書はそのレアどころの著作を軒並み収録したという恐ろしい本である。 現在、大阪圭吉の現役本は、本格を中心とした創元推理文庫の『とむらい機関車』と『銀座幽霊』、防諜探偵・横川禎介シリーズ...

Category: 国内作家 大阪圭吉    09 07, 2013
大阪圭吉『大阪圭吉作品集成』(盛林堂ミステリアス文庫)
 西荻窪にある古書店、盛林堂書房さんでは「盛林堂ミステリアス文庫」というものを発行している。今ではあまり読まれなくなってしまった作品、あるいは入手困難な作品から、これはというものを紹介しようと始めたもの。しかもラインナップが幻想小説や探偵小説を中心としているので、これは堪りません。  本日の読了本はそんな盛林堂ミステリアス文庫の一冊で、『大阪圭吉作品集成』。 大阪圭吉については今さら言うこともない...

Category: 国内作家 大阪圭吉    01 03, 2011
大阪圭吉『大阪圭吉探偵小説選』(論創ミステリ叢書)
 少々遅くなりましたが、新年明けましておめでとうございます。本年も『探偵小説三昧』、よろしくお引き立てのほどお願いいたします。 大晦日の夜から読み始めた今年最初の読了本は、論創ミステリ叢書から『大阪圭吉探偵小説選』。 大阪圭吉といえば、戦前では珍しい本格探偵小説の書き手である。近年の復刻ブームのおかげで大きく再評価され、いまや古書店やオークションなどでは目の玉が飛び出るぐらいの高値で取引されるほど...

Category: 国内作家 大阪圭吉    09 11, 2002
大阪圭吉『銀座幽霊』(創元推理文庫)
 大阪圭吉という作家は、知る人ぞ知る作家である。戦前に真っ当な本格探偵小説を書く作家、といえばおそらく唯一無二の存在であった。だが当時は作風が地味だとか、ストーリーが平板だとか評され、大人気を博するとまではいかなかったようだ。 しかし、時を越え、時代が彼に追いついたとでもいうのか。平成の世に入り、彼の再評価の機運は一気に高まった。名作の復刻ブームはもちろん役に立っているし、その特異性から固定ファン...

Category: 国内作家 大阪圭吉    09 09, 2002
大阪圭吉『とむらい機関車』(創元推理文庫)
 創元推理文庫版の大阪圭吉『とむらい機関車』を読む。えらくネット上では評判のよい大阪圭吉だが、それもむべなるかなという感じ。戦前にこういう作家がいたというのは、実にすごいことだ。詳しい感想はこれから読む『銀座幽霊』と合わせて後日まとめることにしよう。 ところで実際にこの本、どれだけ売れたのだろう? ネット上でどれだけ評判がよくても、結局商売として成立しないことにはすぐまた絶版になるだろうし、同じよ...

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プロフィール

sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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