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 ネオ・ハードボイルドを代表する一人、スティーヴン・グリーンリーフの『最終章』を読む。今回、ネタバレにてご注意ください。


 『最終章』はそのタイトルが暗示するように、実は私立探偵ジョン・マーシャル・タナー・シリーズの最終作なのだが、とにかくエンディングがかなりぶっとんでいる。
 およそハードボイルドと呼ばれる作品で、ここまでハッピーエンドかつカーテンコール式に終わるものは過去に類を見ない。この事実だけで十分衝撃的なので、作品の内容については省く。
 ただし、決してつまらないわけではなく、グリーンリーフ&タナーは最後までグリーンリーフ&タナーであったといえば十分だろう。とにかくほぼ二十年にわたって安定した作品レベルを保ってきただけに、つくづく残念だ。数年前にやはりネオ・ハードボイルドを代表するジョゼフ・ハンセンのデイヴ・ブランドステッター・シリーズが終わったが、またひとつ楽しみが減った感じである。

 思えばハードボイルドにはまるきっかけになったのは、ハメットやチャンドラーではなく、グリーンリーフやプロンジーニ、ローレンス・ブロック、ジョゼフ・ハンセンといったネオ・ハードボイルド作家たちのおかげだった。読者と同じように人間的な弱さを十分に持ちながら、精一杯背伸びをして生きる姿に共感できたからだ。しかし、ネオ・ハードボイルドが誕生してからはや三十年あまり。そろそろ彼らの使命も終わりに近づいてきたような、そんな気にもさせられる。実際、デイヴ・ブランドステッターとジョン・マーシャル・タナーはシリーズが終わり、ブロックのマット・スカダーもかつての悩める姿は見られない。プロンジーニにいたっては……。
 とにもかくにも二十年近く読んできたシリーズが終わるというのは、けっこう切ないものだ。今回はハッピーエンドだからまだよかったが、デイヴ・ブランドステッターのときはかなりショックだったもの。あのときばかりは、ミザリーを死なせたくなかったアニーの気持ちがわかったかな。


テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



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