会社承認のもと、仕事を一時中断して日本vsチュニジアを観戦。いやー、すごいよ。決勝トーナメントに本当にいっちゃったよ。四年前の皮算用と違い、今回はほとんど希望どおりの勝ち点をゲット。うまくすりゃ二位で通過できるかもとは思っていたが、まさか首位で通過するとは。次はトルコか。強敵は強敵だがブラジルと当たるよりはましだし、本当にうまくするとベスト4だって狙えそう。楽しい。楽しすぎる。
ワールドカップの興奮が冷めやらぬうちにジェレミー・ドロンフィールドの『飛蝗の農場』(創元推理文庫)を読了する。各紙の書評などでは問題作扱いされており、かなり興味をもっていた一冊だ。
※今回ややネタバレ気味にて注意
概略はシンプルである。農場を一人で経営する女性キャロルの前に奇妙な男が現れる。一夜の宿を請われて一度は断ったキャロルだが、ショットガンで男に傷を負わせるという事件をきっかけに、男との奇妙な同居生活が始まる、というもの。
以上が本筋だが、実は物語の柱はもうひとつある。時間も場所もばらばらな状態で挿入されるさまざまな男の逃避行の話である。
まあ、このふたつがいつか交差するであろうことは、ちょっとしたミステリファンなら予想がつくところだろう。本書が問題作云々と言われるのも、結局これに関するミステリとしての仕掛けにある。ただ、残念ながら「それほどのもんか?」という感想は拭えない。どちらが生き残ったのかというエンディングの在り方も含めて(リドル・ストーリーてヤツですね)、及第点は言っていると思うが、それ以上でもそれ以下でもないだろう。
ただし、描写が密なうえにサスペンスの盛り上げなどは上手いので、読んでいて決して退屈はしない。サイコスリラーや変な話が好きな人にはおすすめ。解説では第二作以降も変な話が多いらしいので、個人的にはしばらく追っかけてみようかと思う。