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 アブラム・デイヴィッドスンの『どんがらがん』を読む。河出書房新社の「奇想コレクション」の一冊で、この叢書は早川書房の「異色作家短編集」に比べてSF色が強いのが特徴。本日のアブラム・デイヴィッドスンもSFファンには知られた名前なのだろうが、ミステリファンには馴染みが薄いかもしれない。ただ、この人、『EQMM』の短編コンテストにも入賞しているし、それどころかエラリー・クイーンの代作までやっていた人なので、ミステリの世界でも忘れてはいけない作家といえるだろう。

 肝心の中身だが、「奇想コレクション」でもとりわけ変な話ばかりという評判どおり、相当なねじれ具合である。実感としてはファンタジーやSFというよりも、前衛的というか、実験小説という言葉が似合う。いわゆるオチのない話が多く(そもそも落とさなくてもかまわないと考えているのだろう)、その作品世界のイメージに浸ったり、技法について楽しんだりするのが吉である。
 しかし、何だろうな。意外とコクに欠けるというか。読み終わった後で全般的に物足りない気持ちになるのはなぜだろう? 確かにこの奇妙なお話の数々には感心するが、カタルシスとまでは行かないのである。面白いんだけどね。

テーマ:SF小説 - ジャンル:本・雑誌



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