Posted in "国内作家 浜尾四郎"
- Category: 国内作家 浜尾四郎 01 22, 2007
- 浜尾四郎『浜尾四郎探偵小説選』(論創ミステリ叢書)
- 論創ミステリ叢書の『浜尾四郎探偵小説選』を読む。戦前派には珍しく、論理を前面に押し出した本格探偵小説の書き手として知られる浜尾四郎。その短編と評論の選集だ。 正直、論創ミステリ叢書の恐ろしいまでのラインナップからすると、本書などは比較的地味というか、かなりお買い得度が落ちるところではある。というのも短編の方は「富士妙子の死」以外すべて桃源社の『殺人小説集』にも収録されているからだ。むしろ注目すべ...
- Category: 国内作家 浜尾四郎 01 27, 2004
- 浜尾四郎『博士邸の怪事件 他1編』(春陽文庫)
- 年明けからまずまず調子よく読書は進んでいるが、仕事が楽になったわけでもなく、相変わらず色々な業務が同時進行していく。今週も中途採用のための面接&選考だとか、社内のレイアウト変更のための調整や準備だとか、部下が制作中の書籍・印刷物のチェックだとか、出版されたばかりの本の動向の調査だとか、制作業務のレジュメ草案チェックだとか、研修のための草案チェックだとか。編集が本職なのだが、実際にやっているのは管...
- Category: 国内作家 浜尾四郎 12 07, 2003
- 浜尾四郎『殺人小説集』(桃源社)
- 浜尾四郎の唯一の短編集『殺人小説集』読了。浜尾四郎の短編を読もうと思ったら、創元推理文庫版が現役なので一番手っ取り早いが、収録数でいったら(古書にはなるけれど)やはりこの桃源社版か全集ということになるだろう。ただ、全集は哀しいかな高い。こっちだって安くはないけど、浜尾四郎の作品を気に入ったのなら買っておいて損はない。※現在は沖積社が復刻版を出しており、入手は容易になったようだ「彼が殺したか」「死...
- Category: 国内作家 浜尾四郎 11 17, 2003
- 浜尾四郎『鉄鎖殺人事件』(春陽文庫)
- 先日の『殺人鬼』に続き、『鉄鎖殺人事件』を一気読み。 こちらは初読だったが『殺人鬼』に勝るとも劣らぬ出来映えである。 事件そのものが地味ということもあってややインパクトに欠ける面はあるが、とにかく本格探偵小説かくあるべしという著者の意気込みが伝わってくる。それが大変に心地よい。伏線の張り方や登場人物の配置なども細かく計算されており、探偵役の藤枝真太郎の謎解きもお見事。無駄な描写を排除した、徹底的...
- Category: 国内作家 浜尾四郎 11 14, 2003
- 浜尾四郎『殺人鬼』(春陽文庫)
- 浜尾四郎『殺人鬼』読了。ややネタバレになるのでそのつもりで。 先日の日記にも書いたとおり、『殺人鬼』は昭和六年に発表されたとは思えないほどしっかりした本格探偵小説である。ヴァン・ダインの『グリーン家殺人事件』に触発され、真っ向から挑んだ作品だが、変なペダンティズムとかは加えていないので、ある意味本家よりも本格らしい。 ただ、ペダンティズムが不要なのかというと必ずしもそんなことはなく、上手にやれば...