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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


Posted in "国内作家 高城高"

Category: 国内作家 高城高    04 17, 2017
高城高『眠りなき夜明け』(寿郎社)
 高城高の連作短編集『眠りなき夜明け』を読む。日本のハードボイルド黎明期を牽引した著者が、バブルに沸き返る1980年代後半の札幌ススキノを描いたシリーズの最終作である。 ちなみに版元はこれまでの東京創元社ではなく、札幌の出版社、寿郎社からの刊行である。著者も札幌在住だから何らかの縁はあったのだろうが、シリーズ最終巻のみ別の版元というのはさすがに珍しいので、どういう事情があったのか気になるところではある...

Category: 国内作家 高城高    10 22, 2016
高城高『夜より黒きもの』(東京創元社)
高城高の『夜より黒きもの』を読む。 バブルに沸きかえる1980年代後半の札幌ススキノ。その夜の世界を描いた連作短編集『夜明け遠き街よ』の続編である。すでに三作目『眠りなき夜明け』も今年の六月頃に刊行されており、ススキノ三部作として完結しているようだ。 収録作は以下のとおり。独立した作品としても読めるが、エピソードや登場人物が相互にかかっているので、やはり通して読むほうがおすすめである。「猫通りの鼠花火...

Category: 国内作家 高城高    08 02, 2013
高城高『夜明け遠き街よ』(東京創元社)
 高城高の『夜明け遠き街よ』を読む。 日本ハードボイルドの祖でありながら、若くして執筆から遠ざかり、幻の作家と称されていた高城高。しかし、2006年に仙台の出版社荒蝦夷から傑作集が刊行されたのを機に執筆活動を再開、今では定期的に作品を発表するまでになり、復帰後だけでもすでに三冊の短編集を上梓しているから、実に見事な復活劇といえるだろう。 しかも、ただ昔の名前だけで帰ってきたわけではない。著者が凄いのは...

Category: 国内作家 高城高    07 28, 2011
高城高『ウラジオストクから来た女』(東京創元社)
 まず本日、飛び込んできたニュースについて。既に皆様ご存じのとおり、小松左京とアゴタ・クリストフという二人の偉大な作家が亡くなった。お二方とも純然たるミステリ畑ではなかったが、ボーダーラインの作品は多く残しており、ミステリ者にも非常に愛着のある作家さんだった。思い出を書き出すと止め処もなくなってしまうので、今はただご冥福を祈るばかりである。――合掌。 気を取り直して本日の読了本。高城高の『ウラジオス...

Category: 国内作家 高城高    12 11, 2009
高城高『函館水上警察』(東京創元社)
 高城高の『函館水上警察』を読む。 高城高は河野典生や大藪春彦と並んで日本ハードボイルドの黎明期を支えた作家である。だが本業の関係で早々に執筆活動を休止し、2006年の『X橋付近』刊行をきっかけに創作を再開したことはファンならご存じのとおり。そして本書はその記念すべき復活第一冊目となる。  さて、復活に際して著者が選んだのは、明治時代の函館を舞台にした警察小説である。しかも普通の警察ではなく、函館港内...

Category: 国内作家 高城高    05 18, 2008
高城高『墓標なき墓場』(創元推理文庫)
 会社移転に伴っていろいろなことが起こりすぎる今日この頃。精神的に疲れることも多いが、問題はストレスで酒量が増えすぎること。ほぼ毎日飲むうえに、1回の酒量が増えているのがまずい。などと言いつつも金曜は朝まで痛飲。しかも土曜は仕事だ。そして本日は同僚の結婚式で昼から飲むわ飲むわ。ちょっとやばいぞ(笑)。 読了本は高城高の『墓標なき墓場』。昨年、『X橋付近』で再ブレイク?した高城高の唯一の長篇である。 ...

Category: 国内作家 高城高    06 10, 2007
高城高『X橋付近』(荒蝦夷)
 昨年の暮れ、高城高(こうじょう・こう)の作品集が出版されるというニュースを知ったときは本当に驚いた。高城高といえば、大藪春彦、河野典生と並んで日本のハードボイルド界創生期を支えた作家である。しかしながら作品数はそれほど多くなく、過去に出版されたのは短編集と長編がそれぞれ一冊ずつ。しかもどちらも古い本で入手が難しいときているから、アンソロジーでいくつかの短編が読めるだけであった。 それが荒蝦夷とい...

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プロフィール

sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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