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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


Posted in "国内作家 楠田匡介"

Category: 国内作家 楠田匡介    09 23, 2023
楠田匡介『T怪人団』(湘南探偵倶楽部)
 引き続き湘南探偵倶楽部さんの小冊子で楠田匡介の『T怪人団』を読む。 楠田匡介も島久平と同様、なかなか復刻されない作家ではあるが、なぜか湘南探偵倶楽部では子供向け短篇を中心にけっこうな数を出している。本書もその一冊である。 不正を働いた資本家や政治家をターゲットにし、首を切り取っては死体をT字型に貼り付けて晒し者にするという「T怪人団」。連続殺人事件を繰り広げている悪の一味である。 その日も石炭王・...

Category: 国内作家 楠田匡介    02 19, 2022
楠田匡介『幻影の部屋』(湘南探偵倶楽部)
 おなじみ湘南探偵倶楽部の復刻短篇から一冊。ものは楠田匡介の『幻影の部屋』。 吹雪の荒野で馬橇ですら進めず、仕方なく素封家の知人宅に一泊の宿を借りた夫婦もの。十二畳はある広間で休ませてもらうことになったが、夫の方はなかなか寝つくことができない。すると部屋の何処かから話し声が聞こえてくる。奇怪なことに、話をしているのは部屋の片隅に置かれた浄瑠璃の首だけの人形である。しかもその内容が、十年前に自殺した...

Category: 国内作家 楠田匡介    12 17, 2021
楠田匡介『人肉の詩集』(湘南探偵倶楽部)
 本日も湘南探偵倶楽部の復刻短篇を読む。ものは楠田匡介の『人肉の詩集』。けっこう有名な短篇だが、同作を表題にしたあまとりあ社の短篇集がいかんせん高価なので、これまで縁がなかった作品。  こんな話。主人公の〈私〉は詩の同人活動をしていたが、そのパトロンである津田政輔の妻、香代子と不倫関係にあった。ある日、津田が旅行に出た隙を狙って不倫旅行に出かけた私たちだが、その旅先で香代子は津田の気配を感じたとい...

Category: 国内作家 楠田匡介    11 21, 2021
楠田匡介『少年少女探偵冒険小説選 IV』(湘南探偵倶楽部)
 ちょっと軽いものを、ということで湘南探偵倶楽部さんがシリーズで出している楠田匡介のジュヴナイル『少年少女探偵冒険小説選 IV』を読む。収録作は以下のとおり。「幽霊島」「良夫君の事件簿 IV」「推理クイズ集」  これで四冊目となる「少年少女探偵冒険小説選」シリーズだが、このシリーズは中篇や長篇を一作メインに据え、脇を推理クイズ集で固めるという構成が多く、本書もその例に漏れない。ただ、メインの「幽霊島」が...

Category: 国内作家 楠田匡介    10 04, 2020
楠田匡介『少年少女探偵冒険小説選 III』(湘南探偵倶楽部)
 湘南探偵倶楽部さんが復刻しているミステリもいろいろある中で、内容はそれほど大したことがないのに(笑)ついついクセになってしまうのが楠田匡介のジュヴナイル。中編クラスの作品が小冊子という感じで二つほど復刻されたと思ったら、ついには『少年少女探偵冒険小説選』というジュヴナイル短編集に発展してしまう。しかもこれが好評なようで、二ヶ月ほど前にはとうとう第三集まで出てしまった。 本日の読了本は、その楠田匡...

Category: 国内作家 楠田匡介    09 29, 2019
楠田匡介『少年少女探偵冒険小説選 II』(湘南探偵倶楽部)
 湘南探偵倶楽部さんが少年少女向けの探偵小説を復刻しており、特に楠田匡介には力を入れているようで、本日の読了本はその一冊『少年少女探偵冒険小説選 II』である。 「黒い流星」「良夫君の事件簿 II」 収録作は以上。「黒い流星」は光文社の『少年』で昭和27年9月号に掲載されたもの。もうひとつの「良夫君の事件簿 II」は連作短編で、旺文社の『中学時代二年生』で昭和35年に連載されたもの、さらに『高一時代』で昭和39年...

Category: 国内作家 楠田匡介    07 02, 2019
楠田匡介『少年少女探偵冒険小説選1』(湘南探偵倶楽部)
 このところ湘南探偵倶楽部さんが古い子供向け探偵小説、特に児童書に連載されたものを頻繁に復刻してくれているのだが、本日の読了本もそんな中から楠田匡介のレアなところを一冊。しかもタイトルが『少年少女探偵冒険小説選1』などということになってしまい、いよいよシリーズ化の気配である。 この「1」という数字が、普通に「少年少女探偵冒険小説選」にかかるのか、それとも楠田匡介も含めてのナンバリングなのか不明だが、...

Category: 国内作家 楠田匡介    06 02, 2019
楠田匡介『深夜の鐘』(湘南探偵倶楽部)
 湘南探偵倶楽部さんが復刻した『深夜の鐘』を読む。『都会の怪獣』と同じく楠田匡介の手による子供向け探偵小説。連載された媒体も『都会の怪獣』と同様で、小学館の学習月刊誌『小学六年生』 。昭和二十九年四月号~三十年三月号にかけてなので、ちょうど一年かけて連載されたことになる。 こんな話。春休みを利用し、友人の林君とともに市川の別荘へ遊びにきていた少年探偵として知られる小松良夫少年。二人はあるとき近所に...

Category: 国内作家 楠田匡介    05 06, 2019
楠田匡介『都会の怪獣』(湘南探偵倶楽部)
 湘南探偵倶楽部さんが復刻した楠田匡介の『都会の怪獣』を読む。小学館の学習雑誌『小学六年生』 で昭和二十七年四月号~二十八年三月号にかけて連載された探偵小説である。 こんな話。ニューヨークへ赴任することになった外交官の石井氏が、家族とともに東京駅を発とうとしていたときのこと。石井氏の娘、由子が発車寸前の列車から消失するという事件が起こる。さっそく田名見警部を筆頭に警察も駆けつけ、由子の捜索が始まっ...

Category: 国内作家 楠田匡介    05 26, 2018
楠田匡介『いつ殺される』(河出文庫)
 順調にシリーズ展開が進む〈KAWADEノスタルジック 探偵・怪奇・幻想シリーズ〉から、本日は楠田匡介の『いつ殺される』を読む。原本は春陽堂書店の〈長篇探偵小説全集〉として刊行されているため、比較的、楠田作品の中では知られているほうだろう。 まずはストーリーから。 糖尿病とそこからきた足の神経痛で入院することになった作家の津野田。だが、その病室は幽霊が出るという曰くつきの部屋で、職員や看護婦がみな詳しい...

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プロフィール

sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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