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 サイモン・トロイの『贖罪の終止符』を読む。
 村の名士ラルフ・ビューレイ医師が睡眠薬を飲み過ぎて死亡するという事件が起きた。検死審問では事故死と判断されたが、スミス警部にはいまひとつ納得できないものがあった。ラルフの秘書であり婚約者でもあるローナ、そしてそのローナと頻繁に遊び歩いているラルフの弟レイモンドの行動が、あまりに怪しかったからだ。そんな折り、今度はロバート・ニールという男が現れ、ローナに対し英仏海峡に浮かぶガーンジー島で教師をやらないかと誘いをかける。ガーンジー島にいったい何があるというのか。スミス警部もまた島へ渡り、謎の真相に迫ろうとするが……。

 予想に反して変な話である。スミス警部というレギュラー探偵がいるので警察物、もしくは本格物かと思って読み始めたのだが、これは一種のサスペンスになるのだろうか。スミスを除いて、登場人物がことごとく怪しい者たちばかりで、それが互いに嘘や脅迫を繰り広げ、終始重苦しい緊張感に包まれている。そんな登場人物の過去や心情が徐々に明らかになる過程が読みどころなのだが、書き込んでいるわりには、どうにも納得しかねる言動もちらほら。地の文も大げさに過ぎる個所が目立ち、読んでいていらいらすることもしばしばだった。
 また、シリーズキャラクターのスミス警部は「西部地方のメグレ」と呼ばれているそうで、確かに一人地道に捜査を進めていく様子は本家を彷彿とさせるものの、ほとんど事件解決の役に立っていないのは困りものだ。本作だけのことならいいのだが、毎回、これだとさすがに辛いものがある。
 それでも驚愕のトリックとか意外な結末があればまだ救われるが、残念ながら肝心の真相もイマイチ。駄作とはいわないけれど、無理に読む必要はないだろう。オビの文句がむなしい。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



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