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 レイ・ラッセルの『嘲笑う男』読了。早川書房の異色作家短編集の一冊だが、レイ・ラッセルともなると、ミステリファンでもあまり馴染みのある人も多くはあるまい。どちらかというとSF畑のうえに、邦訳は本書の他にソノラマ文庫『血の伯爵夫人』、ハヤカワ文庫『インキュバス』ぐらいしかない。
 とはいっても知られざる偉大なる作家、というわけでは決してない。正直なところ、異色作家短編集の中でもやや格落ちの感は否めない。つまらないというほどでもないのだが、切れの良さや味わい深さなどを比べても分が悪いのは確かだ。
 ただし本書のなかでも、巻頭の長めの短編「サルドニクス」は別格といってもよい。ゴシック・ロマン風のホラーだが、語り口が巧いので、ついつい引き込まれることは請け合い。ラストもちょっとしたオチをつけ、ただのホラーに終わらせない工夫を凝らしている。
 考えたら長篇で唯一邦訳がある『インキュバス』も、ホラーの形式をとってはいるものの、ラストで見事な一本背負いを食らわせてくれる作品だ。この人は短編よりも多少長いものの方が輝きを見せる作家なのかもしれない。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



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