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 寝る前にぼちぼち目を通してきた『幻の探偵雑誌10「新青年」傑作選』をようやく読み終える。収録作品は以下のとおり。

川田功「偽刑事」
持田敏「遺書」
平林初之輔「犠牲者」
小酒井不木「印象」
羽志主水「越後獅子」
瀬下耽「綱」
妹尾韶夫「凍るアラベスク」
浜尾四郎「正義」
戸田巽「第三の証拠」
勝伸枝「嘘」
延原謙「氷を砕く」
渡辺文子「地獄に結ぶ恋」
佐左木俊郎「三稜鏡(笠松博士の奇妙な外科医術)」
乾信一郎「豚児廃業」
赤沼三郎「寝台」
竹村猛児「三人の日記」
守友恒「燻製シラノ」

 これでこの叢書も完結したわけで、いやあ、実にめでたい。「新青年」傑作選みたいなものは今までにも相当数出ているが、それとは極力ダブらせない方針だったというのもエラい。おかげで初めて読む作品が目白押しでどれをとっても楽しめる作品ばかり。イヤ、なかにはトンデモ系もありましたが、この叢書については、あまりそんなことは気にしていないので全然OKです。


テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌


 クライアントとのまとまった打ち合わせが昨日今日だけで合わせて5回、社内でのミーティングが3回。話疲れて、顎がだるい。しゃべるのは好きだが、いやこれだけ話し続けると、ミーティングも肉体労働になると実感。

 読了本はミステリー文学資料館・編集『幻の探偵雑誌9「探偵」傑作選』。古典復刻ブームの中でも特に注目されているシリーズで、戦前の探偵雑誌からのアンソロジーだ。
 このシリーズで取り上げられている雑誌を集め出すと、金がいくらあっても足りないが、この値段なら文句なしに買い。おそらくこのシリーズがなかったら一生読むこともなかった作品が収められていることを思うと、本当に嬉しい限りである。

 だからといって作品そのものの評価が高いかというとそんなことはない。貴重は貴重だが、今これらの作品を面白いと感じる人はごく一部だろう。ではなぜ読むのかと聞かれれば、この時代の探偵小説には、現代のミステリにはない味があるとしか言えない。レトロな味わいというだけではない何か。本格の香り、というのも違う。そもそも当時の国産探偵小説の主流はまだ本格には到っていない。シリーズラスマエの今作でも「探偵」「月刊探偵」などからのセレクトだが、ミステリの王道とは言い難い作品が並ぶ。創作そのものの粒が揃わないせいか評論も掲載されているほどだ。
 思うに其処にあるのは探偵小説におけるセンスオブワンダーというやつではなかろうか。他愛ないものもあるし、こなれていない作品もあるが、探偵小説を盛り上げようという息吹は確かに感じられる。戦前の探偵小説を読むという行為には、ただのミステリーにはない特別な楽しみ、密かな愉しみがあるのだ。
 収録作でいうと、城昌幸の「情熱の一夜」には歪な犯人と被害者の対決が奇妙な味を生む。大庭武年の「旅客機事件」はケレン身たっぷりの事件が好ましい。本田緒生の「危機」は倦怠期を迎えた夫婦のヘンテコな危機を描く。ハッキリ言って出来はイマイチ。でも愛すべき作品なのだ、これらが。いや実に。

◇探偵
甲賀三郎「罠に掛った人」
横溝正史「首吊り三代記」
木蘇穀「後家殺し」
城昌幸「情熱の一夜」
橋本五郎「撞球室の七人」
角田喜久雄「浅草の犬」
海野十三「仲々死なぬ彼奴」
九鬼澹(九鬼紫郎)「現場不在証明」
大庭武年「旅客機事件」
城田シュレーダー「魔石」
浜尾四郎「殺人狂の話(欧米犯罪実話)」

◇月刊探偵
酒井嘉七「ながうた勧進帳(稽古屋殺人事件)」
蒼井雄「執念」
木々高太郎「探偵小説に於けるフェーアに就いて」
金来成「探偵小説の本質的要件」
井上良夫「J・D・カーの密室犯罪の研究」「夢野久作氏を悼む」
森下雨村「悼惜、辞なし」
江戸川乱歩「故人の二つの仕合せ」
大下宇陀児「思出の夢野久作氏」
水谷準「四枚の年賀状」
青柳喜兵衛「夢の如く出現した彼」
紫村一重「故夢野先生を悼む」
石井舜耳「久作の死んだ日」

◇探偵・映画
一条栄子「フラー氏の昇天」
本田緒生「危機」


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