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 毎年同じことを思うが、一年が過ぎるのが半端じゃなく早い。子供の頃の一年なんてずいぶん長かった気がするのだが、体感時間というのはなぜこんなに変わってくるのか。そんな話を書いたSFもあったような気がするが、どなたかご存じない?

 読了本はクリストファー・セント・ジョン・スプリッグの『六つの奇妙なもの』。
 支配者的な伯父との生活に苦しむマージョリー・イーストンは、婚約者のテッド・ウェインライトとの結婚生活を夢見て働く毎日だった。そんなある日、彼女は霊媒師の兄妹と出会い、霊媒の助手として住み込みで働くことになる。しかし霊媒師の強い影響力に感化され、やがて正気を失っていくマージョリー。テッドは降霊会に参加していた医師と相談し、何とか彼女を助け出そうとするが……。
 今年読んだ中でもっとも変なミステリーかもしれない。初めはゴシックロマン的なサスペンスかと思って読んでいたが、とにかくこちらが予想もしない方向に物語が大きく展開し、そのたびに唸ることしきり。犯人が誰とか、トリックがどうとかではない。そもそもどういう物語なのかすら見当もつかないのである。終盤では一応、事件の全貌が明かされるわけだが、その内容も普通のミステリでは滅多にお目にかかれない奇妙なものである。
 とりあえず先を読ませないミステリという意味では十分楽しめるはず。あまり書くとお楽しみを奪ってしまうので、この辺で留めておくが、普通のミステリに飽きている人は一読の価値あり。
 なお、この作品は著者の遺作。三十歳にとどかないうちに内乱で戦死したのだが、もし生きていれば後年にどのような作品を書いていたのかと残念でならない。


テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



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