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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


Posted in "国内作家 大下宇陀児"

Category: 国内作家 大下宇陀児    12 03, 2019
大下宇陀児『火傷をした楠田匡介』(湘南探偵倶楽部)
 湘南探偵倶楽部さんが発行している「知られざる短編」シリーズから、大下宇陀児『火傷をした楠田匡介』を読む。楠田匡介のペンネームの由来となった、『新青年』での六人の作家による競作連載『楠田匡介の悪党振り』のうちの一篇である。 こんな話。楠田匡介が目覚めるとそこは病院であった。斯波(しは)準一と組んで花火の闇製造販売を行っていた二人だが、宿での作業中に誤って失火してしまい、大火傷で二人とも病院に運ばれ...

Category: 国内作家 大下宇陀児    11 17, 2019
大下宇陀児『仮面城』(東都我刊我書房)
 大下宇陀児の『仮面城』を読む。東都我刊我書房による私家版で、雑誌『少女倶楽部』で昭和四年から五年にかけて連載したものをまとめた子供向け作品。各章の最後には、次号の煽り文句も併載されていて、これもまた楽しい。 こんな話。クリスマスも近い十二月の銀座。その露店が並ぶ一角で、バナナの叩き売りをする大柄な老人と、その横で花売りをしている少女がいた。老人はかつて伯爵に仕えていたバナ勘こと武田勘右衛門、少女...

Category: 国内作家 大下宇陀児    09 09, 2019
大下宇陀児児『R岬の悲劇』(湘南探偵倶楽部)
 昨日に引き続き、湘南探偵倶楽部さんが復刻した「知られざる短篇」シリーズから一冊。著者も昨日と同じ大下宇陀児で、短篇『R岬の悲劇』である。  こんな話。理学教授の織部博士は女学校を出たばかりの妻を娶ったが、彼女は親のいいつけに従っただけで、織部博士を愛していたわけではなかった。だが、そんな彼女を支配するようにして、織部博士は結婚生活をスタートさせる。 あるとき織部博士は論文執筆のため、後輩の秋元理...

Category: 国内作家 大下宇陀児    09 08, 2019
大下宇陀児『情婦マリ』(湘南探偵倶楽部)
 ちょっと遠出していたせいでこの二、三日は読書時間もほぼ取れず、本日は軽いものでお茶を濁す。湘南探偵倶楽部さんが復刻した大下宇陀児の『情婦マリ』で、短編を小冊子にしたものだ。 こんな話。使い込みで薬局をクビになったチンピラの玉野圭三郎は、主人への逆恨みと自宅に溜め込んでいるという現金を目当てに、薬局へ強盗に入ろうと計画する。その話を愛人のマリにしたところ、彼女はそれなら自分が薬局の使用人として潜入...

Category: 国内作家 大下宇陀児    07 20, 2019
大下宇陀児『空魔鉄塔』(暗黒黄表紙文庫)
 大下宇陀児のジュヴナイル長短編を集めた作品集『空魔鉄塔』を読む。発行所は「Noir Punk Press」、レーベル名は「暗黒黄表紙文庫」ということで、やや痛い感じを受けるのが玉に瑕だが、同人版ゆえ温かい目で見てあげるのが吉だろう。 ちなみに副題には「少年少女探偵小説撰集 戦前編」とあり、ここは今後の展開を非常に期待させるとことろである(今月発売予定の『仮面城』がもしかすると続刊なのかな?)。 「空魔鉄塔」「金...

Category: 国内作家 大下宇陀児    02 20, 2019
大下宇陀児『黒星團の秘密』(湘南探偵倶楽部)
 だいぶ回復したがまだ体調万全とはいかず。とはいえ、けっこう休みや早退で仕事も遅れがちなので、今週は騙しだまし業務に復帰。まだ筋肉や関節のあちらこちらに痛みがあって、電車がけっこう辛い。 大下宇陀児の少年探偵小説『黒星團の秘密』を読む。元は青柿社から昭和二十三年に発行されたもので、それを湘南探偵倶楽部さんが復刊した同人版である。 こんな話。かつて東京を騒がせた犯罪組織“黒星團”。企業や大金持ちから金...

Category: 国内作家 大下宇陀児    02 11, 2018
大下宇陀児『自殺を売った男』(光文社)
 大下宇陀児の『自殺を売った男』を読む。1958年に『週刊大衆』に連載され、同年に光文社から刊行されたものである。 まずはストーリー。 学生時代の万引きで身を持ち崩した四宮四郎。その原因となった麻薬から抜け出すこともできず、日々を無気力に生きるチンピラだった。そんな自分に愛想を尽かし、美容師の彼女とも別れて自殺するため伊豆へ向かった四宮。ところが自殺の直前、カップルに発見された四宮は一命を取りとめ、就...

Category: 国内作家 大下宇陀児    03 09, 2013
大下宇陀児『大下宇陀児探偵小説選 II 』(論創ミステリ叢書)
 実は先週、会社が移転。それほど大きく離れたわけではないが、これまでの充実したランチと書店、古書店に恵まれていた神保町からは少々遠くなり、昼飯ついでに古書展をひやかすといったことはできなくなってしまった。まあ、無駄遣いしないからいいのか(苦笑)。 論創ミステリ叢書から『大下宇陀児探偵小説選 II 』を読む。主に初期の通俗スリラーをまとめていた『〜 I 』に対し、こちらは後期の社会派と呼ばれるリアル志向の...

Category: 国内作家 大下宇陀児    11 17, 2012
大下宇陀児『大下宇陀児探偵小説選 I 』(論創ミステリ叢書)
 論創ミステリ叢書から『大下宇陀児探偵小説選 I 』を読む。戦前探偵作家としては乱歩、甲賀三郎と並ぶビッグ3の一人、しかも今では読めない作品がごろごろしているというのに、論創ミステリにはなかなか収録されなかったので、今回の刊行は実に嬉しいかぎりである。 収録作は以下のとおり。「蛭川博士」が長篇で、犯人当て懸賞小説として発表された短編が三作、さらには随筆が二本という構成でなかなかの豪華版。いつもながら論...

Category: 国内作家 大下宇陀児    01 26, 2008
大下宇陀児『子供は悪魔だ』(講談社ロマンブックス)
 まったく個人的なことだが、本日、ようやく、ようやくにして、あの探偵小説誌『幻影城』をコンプリートすることができた。やっほーい。 リーチがかかっていたのはNo.18、すなわち増刊号の『横溝正史の世界』。これがまたエッセイや評論、作品事典など、内容盛り沢山のいい本であり、古書店やネットでも比較的見かける本だから〆の一冊としては最適、と思ったのがもう二年ほど前のこと。そこからが実に長かった……。まあ、あまり...

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sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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