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 26日で年内の仕事は一区切り。まだ気になる仕事がいくつかあるので、週明けには少し出勤しようと思うが、とりあえず仕事納めということで打ち上げ。どこもかしこも店が満杯で何とかもぐりこんだ居酒屋で飲む。朝まで飲む。

 本格ミステリ・フラッシュバック

 もうあちらこちらで評判になっているようだが、東京創元社から出た『本格ミステリ・フラッシュバック』は実に好著である。
 先日のエントリーでも少し触れたが、本書は1957~1987年に発表された本格ミステリを紹介したガイドブックだ。1957年というのは、松本清張が『点と線』等で頭角を表した頃であり、一方の1987年というのは、新本格の旗手たる綾辻行人が『十角館の殺人』で登場した年。つまり1957~1987年というのは、社会派ミステリが台頭し、それによってジャンルとしての本格ミステリ人気が廃れていた三十年なのだ。いわゆる「本格冬の時代」というやつである。
 とはいうものの、そんな時代にも本格を書く人は当然いるし、本格マインドを持ちながらも時代の要請にあわせて生き残った作家もいる。その結果、その時代に応じた傑作もいろいろと生まれており、そういう意味では冬の時代というのが適切な表現かどうかは疑問の残るところだ(実際、冬の時代を否定できる傑作の数々が本書で紹介されている)。ただ、ビジネスという基準で見るかぎり、本格ミステリというジャンルの価値が落ちていたことは疑問の余地がないところであろう。だからこそ、この時代の諸作品が意外なほど読まれておらず、結果として本書のようなガイドブックが望まれたわけである。

 本書はぶっちゃけ単なるミステリのガイドブックである。内容的にはそれ以上でも以下でもないのだ。ところがある目的のために時期を絞っただけで、それが単なるガイドブックという存在を超え、日本ミステリ史の一コマを映し出すドキュメントにもなった。面白いではないですか。


テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



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