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 今年最後の更新は昨年に引き続き、極私的ベストテン@探偵小説三昧の発表である。
 ただ今年は思ったほど本が読めなかった。数えると百冊にも達していない。これは四、五年前の半数であり、おそらくこの二十年ほどでも一番読めていない(当社比)。
 買った本も激減。あとで泣きを見るのが嫌だから、新刊のクラシックや復刻はすぐに買ってしまうし、お気に入りの作家も絶対に買ってはいる。だがとにかく古本を買っていない。一時期は年間に五百冊ぐらい買っていたときもあったのだが、今年は二百冊も買っていないのである。理由はまあいろいろあるけれども、ミステリにかける熱そのものは落ちていないので、なんとか来年は50%ほど巻き返しを図りたい。
 前置きが長くなりましたが、それでは2008年度極私的ベストテン発表。

1位  室生犀星『文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子』(ちくま文庫)
2位  日影丈吉『女の家』(徳間文庫)
3位  ルーファス・キング『不変の神の事件』(創元推理文庫)
4位  パーシヴァル・ワイルド『検死審問ーインクエストー』(創元推理文庫)
5位  D・M・ディヴァイン『悪魔はすぐそこに』(創元推理文庫)
6位  ジェイムズ・ホワイト『生存の図式』(早川書房)
7位  高城高『墓標なき墓場』(創元推理文庫)
8位  山本周五郎『山本周五郎探偵小説全集1少年探偵・春田龍介』(作品社)
9位  ジョゼフ・ウォンボー『ハリウッド警察25時』(ハヤカワミステリ)
10位 R・D・ウィングフィールド『フロスト気質』(創元推理文庫)

 ううむ、悩んだ。今年はいまいち不作の感もあったのだが、いざリストアップしていくと、やはり簡単に十作は選べない。しかも不作どころかけっこう良い本読んでるじゃん(笑)。以下ミニコメ。

 1位と2位は簡単に決まった。両者に共通するのは高い叙情性と描写力、そして独特のウェット感。やはり国語で書かれた小説を読むなら、ミステリとはいえこれぐらいの味わいはあって然るべきだろう。一時期の国産ミステリは、あまりにこの部分をないがしろにしすぎたように思う。
 3位から5位は創元の良心の部分。いや、普段はけっこう創元や早川に対してきついことも書くけれど、これは期待の裏返しなわけで(笑)。どれもサクッと読めてしっかりしたインパクトをもち、それでいて小説としてのコクもあるという、娯楽としての本格ミステリのお手本のような作品である。
 6位はSFだが冒険小説としても面白く、まだまだ知らない分野があるということを痛感した作品。
 7位はミステリとして弱い部分もあるけれど、とにかくハードボイルドの魅力に溢れ、好みだけでいえばベスト3級。好きな人ならこの気持ちはわかるはず。
 8位はミステリとして弱い部分だらけなんだが(笑)、ま、好きなものはしょうがない(笑)。
 9位、10位は警察小説の佳作。アプローチはそれぞれ異なるが、本当に上手い作家はまずユーモアの使い方が上手いものなのだということを教えてくれる。

 このほか泣く泣くベストテンから外した作品には、ジャック・リッチー『ダイアルAを回せ』(河出書房新社)ジェイムズ・パウエル『道化の町』(河出書房新社)ギルバート・アデア『ロジャー・マーガトロイドのしわざ』(ハヤカワミステリ)グリン・ダニエル『ケンブリッジ大学の殺人』(扶桑社ミステリー)三橋一夫『黒の血統』『鬼の末裔』(出版芸術社)など。このあたりも読んで損はない作品ばかりなのでぜひどうぞ。
 また、最相葉月『星新一 一〇〇一話をつくった人』(新潮社)はノンフィクションゆえに、サン=テグジュペリ『星の王子さま』(岩波書店)はあまりに有名な古典ゆえに外したが、これらも未読がもったいないくらいの作品である。『星の王子さま』なんて子供向けなどと侮っていると、痛い目にあうこと必至。

 さて、これにて『探偵小説三昧』は本年も無事終了。管理人はこれから「Dynamite」を眺めつつ、おせちの準備などにかかります。あ、買ったばかりのXbox360もセッティングしないと。
 それでは皆様、よいお年を。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



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