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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


Posted in "国内作家 木々高太郎"

Category: 国内作家 木々高太郎    04 10, 2022
木々高太郎『或る光線 木々高太郎科学小説集』(盛林堂ミステリアス文庫)
 『或る光線 木々高太郎科学小説集』を読む。木々の科学小説を中心にまとめた短篇集の復刻である。まずは収録作。「或る光線」(脚本)「跛行文明」「蝸牛の足」「糸の瞳」「債権」「死人に口あり」「秋夜鬼」「実印」「封建性」「親友」  木々高太郎がこんなに科学小説を書いていたとは知らなかったが、医学者でもある木々のことなので、考えるとそこまで不思議ではない。ただ、読んでみると実際には収録作すべてが科学小説で...

Category: 国内作家 木々高太郎    04 23, 2019
木々高太郎『スペクトルD線』(湘南探偵倶楽部)
 湘南探偵倶楽部さんから復刻された木々高太郎の『スペクトルD線』を読む。 戦後間もない頃に二葉書店から刊行されていた少年少女向け雑誌『小学五年』(後半は『小学六年』)に六ヶ月にわたって連載されていたジュヴナイルである。六回分の連載とはいえ、児童誌ゆえたいした分量ではなく、全体では短めの中編といったところだ。  こんな話。弁護士の龍岡氏は夫人に娘の雪子、そして祖母と暮らす四人家族。ある日、夫人が雪子...

Category: 国内作家 木々高太郎    08 02, 2018
木々高太郎『三面鏡の恐怖』(河出文庫)
 木々高太郎の『三面鏡の恐怖』を読む。不定期ながらも着々と刊行が進んでいるKAWADEノスタルジック〈探偵・怪奇・幻想シリーズ〉の一冊である。  こんな話。病気で亡くした妻の母親、妹と三人で暮らす電気製品会社の社長・真山十吉。日本の将来を変える事業を夢見る彼は、以前の恋人・嘉代子の妹と名乗る女性・伊都子の訪問を受ける。十吉はかつて政略結婚のために嘉代子を捨て、そのため捨て鉢になった彼女は好きでもない男と...

Category: 国内作家 木々高太郎    03 02, 2014
木々高太郎『木々高太郎探偵小説選』(論創ミステリ叢書)
 論創ミステリ叢書から『木々高太郎探偵小説選』を読了。 木々高太郎といえば探偵小説芸術論を打ち出して文壇に論争を巻き起こしたことでも知られ、この叢書の中では比較的メジャーどころといえるだろう。ただし、知名度の割には探偵小説ファンの間でいまひとつ人気がない印象だ。 そんな論考が本書の解説にも少し収められている。直木賞を受賞したことで代表作として紹介され続けてきた『人生の阿呆』が、そもそもそれほど探偵...

Category: 国内作家 木々高太郎    12 30, 2010
木々高太郎『光とその影/決闘』(講談社大衆文学館)
 先日、松本清張を読んだら、師匠筋の木々高太郎が読みたくなって、大衆文学館の『光とその影/決闘』を引っ張り出してきた。長短、織り交ぜた作品集で、「光とその影」が長篇、それ以外は短篇というラインナップ。優に二冊分はあろうかというボリュームだが質も申し分なく、木々入門書としても最適の一冊。これと創元推理文庫の『日本探偵小説全集7木々高太郎集』があれば、ほぼ傑作は網羅できるか。 とりあえず本書の収録作は...

Category: 国内作家 木々高太郎    04 20, 2009
木々高太郎『網膜脈視症』(春陽文庫)
 探偵小説芸術論を唱え、その実践として書いた『人生の阿呆』で、探偵作家として初めて直木賞を受賞した作家といえば、もちろん木々高太郎。その功績は著作のみならず、宮野村子や松本清張を見出したことでも評価されて然るべきだろう。とはいえ『探偵小説芸術論』がいまでも通用するのかといえばそれは無理もあるし、『人生の阿呆』が探偵小説として傑作かといわれれば、それもまた厳しい話と言わざるを得ない(苦笑)。 ただ、...

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プロフィール

sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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