Posted in "国内作家 坂口安吾"
- Category: 国内作家 坂口安吾 12 14, 2022
- 坂口安吾「盗まれた一萬円」(『新潮』2023年1月号)
- 先日の朝日新聞に掲載されて驚いたのが、坂口安吾の幻の探偵小説が見つかったという記事だ。 なんでも週刊新聞「東京週報」の1933年10月15日号に掲載されたが、そのまま埋もれてしまい、これまで全集などにも収録されず、存在も知られないままだったという。 タイトルは「盗まれた一萬円」。安吾がまだデビューまもない頃の作品であり、四百字詰め原稿用紙三十枚ほどの短編らしいが、完全な新資料ということで研究者界隈はざわ...
- Category: 国内作家 坂口安吾 05 19, 2019
- 坂口安吾『不連続殺人事件』(新潮文庫)
- 坂口安吾の『不連続殺人事件』を読む。これがおそらく四度目ぐらいの再読である。新潮文庫で復刊されたのを機に久々に読んでみたのだが、やはりこれは傑作としか言いようがない。パズルやゲームとしての本格探偵小説を愛した坂口安吾は、読むだけではおさまらず、本作をはじめとしていくつかの探偵小説を残したが、やはりそのなかにあっても『不連続殺人事件』は別格でああろう。 山中深くで酒造業を営む歌川家。その跡取り息子...
- Category: 国内作家 坂口安吾 11 19, 2011
- 坂口安吾『復員殺人事件』(角川文庫)
- 視聴はしていないが、『UN-GO』というアニメが放映されているようで、これがなんと坂口安吾の『明治開花 安吾捕物帖』が原案だという。といってもストーリーはかなり自由奔放のようで、原作の設定を拝借したというぐらいが適当らしい。ちょっと興味あり。 で、それがきっかけというわけではないのだが、本日の読了本は坂口安吾の『復員殺人事件』。 傑作『不連続殺人事件』に続いて書かれた長編第二作だが、連載していた雑誌が...
- Category: 国内作家 坂口安吾 08 04, 2009
- 坂口安吾『私の探偵小説』(角川文庫)
- 先日に引き続いて、坂口安吾をもう一冊。お題は『私の探偵小説』。 本書は小説ではなくエッセイ・評論集である。先日読んだ『能面の秘密』を実践編とするなら、こちらは言わば理論編。収録作は以下のとおりで、I部が探偵小説に関するもの、II、III部は主に文学に関するもので構成されている。I部「私の探偵小説」「推理小説について」「探偵小説を截る」「「刺青殺人事件」を評す」「推理小説論」II部「通俗と変貌と」「未来の...
- Category: 国内作家 坂口安吾 08 02, 2009
- 坂口安吾『能面の秘密』(角川文庫)
- 坂口安吾の短編集『能面の秘密』を読む。 安吾といえば『白痴』や『堕落論』などで有名な無頼派と呼ばれる純文学作家だが、その一方では子供の頃からの熱烈な探偵小説ファンでもある。戦後には有名な『不連続殺人事件』を発表して第2回探偵作家クラブ賞を受賞するほか、推理短編やエッセイもけっこう残している。 今回読んだ『能面の秘密』は、主に1950年代前半に書かれた推理短編を集めたものだ。収録作は以下のとおり。「投...