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 新年明けましておめでとうございます。本年も『探偵小説三昧』何卒よろしくお願いいたします。
 正月はおせちとお酒、ときどき初詣という典型的な寝正月。Twitterの方でぼそぼそつぶやいてますんで、気になる方はそちらで(いや、別に大したこと書いてないんだけど)。


 では、今年一冊目の読了本。ものはピエール・ヴェリーの『サンタクロース殺人事件』。
 なぜ正月からクリスマスものを読むのかというツッコミはなしの方向で。手に取ったのはクリスマス直後だったのだが、そのまま年末年始のバタバタで、結局読み終えたのが正月だったというだけの話である。まあ、夏に読むよりはいいでしょ(笑)。こういうタイトルの本はどうしてもその時期に読まなきゃという気持ちにはなるのだが、逆にその時期を逃すと、自動的に積ん読確実なのがつらいところだ。
 
 どうでもいい話はこれぐらい。『サンタクロース殺人事件』に戻る。
 舞台はフランス東部にあるおもちゃ製造で有名な町、モルトフォン。クリスマスも近いこの町で、主任司祭のフュックス師は、教会にある聖ニコラの聖遺物が盗まれるのではないかという心配を抱えていた。そんな中、クリスマスイヴの夜に、なんとサンタクロースが殺害されるという事件が起きる……。

 サンタクロース殺人事件

 著者のピエール・ヴェリーは1930年代に活躍したフランスのミステリ作家。年代的には十分クラシックの範疇で、意外にトリッキーな作品が多いらしいのだが、英米の同時期の作家に比べると、そのイメージはほとんどない。
 本作も1930年の作品ながら、予想以上にしっかりしたトリックを盛り込んでいるし、謎解きシーンまでちゃんとある。けれど、何か違う。
 つらつら考えてみるに、その大きな理由はユーモア満載の作風にあるのではないか。笑いの質が日本と違うから、思ったより笑えないのは仕方ないとしても(笑)、ユーモアを構成するための仕掛けにこだわりすぎている嫌いはある。本筋以外の要素が過剰すぎて、作り物めいた印象が強くなり、ミステリとしての成立がかなり危うくなっているのである。ぶっちゃけ本書の読後感は、ミステリというより、ファンタジーのそれに近い。

 本書はミステリの形を借りてはいるけれども、おそらく著者の探しているものは、普通の英米のミステリ作家とは違うのだ。だからこそ本書の印象は英米のクラシックとは大きく異なるのである。この違和感を拭えないことには、おそらく本書は楽しめないのだろう。
 個人的には残念ながら最後までのることはできなかった。


テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



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