基本的にはテレビのドラマは滅多に観ないのだが、これだけはぜひとも観たかった作品。というわけで録画してあった『のだめカンタービレ』の第一回をようやく観ることができる。キャストはなかなか頑張っている感じだが、何にも増して感心したのは原作をかなり忠実になぞったシナリオ。ギャグまで忠実にやっているので、たまにすべり気味のところもあるが(特に竹中直人だけはやり過ぎの感が……)、これなら一応は許容範囲。しばらくはつきあうことにしよう。
ロン・グーラートの『ゴーストなんかこわくない』を読む。
本業は広告代理店の社員だが、その傍ら趣味で幽霊退治の副業をやっている、マックス・カーニイの活躍を描く短編集。一応はオカルト系だがホラーの要素はまったくない。依頼される内容も、祝日だけ象に変身してしまうだとか、夫が人魚と浮気しているだとか、極めてコミカルかつコメディ路線。いかにもアメリカ人が好きそうなバカ話なのだが、無粋を承知でいうと、作品によってはもう少しオチをしっかりつけたり、もしくは謎解きをちゃんと絡めたり、あるいはブラックにしてみたほうが、より効果的に思える。
個々の作品をあまり大事にしない、というのは言い過ぎかもしれないが、基本的には書いて終わり、というタイプの作者に思えて、ちょっともったいない感じがするのだ。