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 けっこうな時間をかけて、ロバート・エイディーと森英俊両氏による編集の『これが密室だ!』を読む。
 必ずしも傑作ばかりというわけではないが、あまり知られていない作家の作品が多く収録されているので、本格マニアはぜひ手にとりたい一冊。ただ、それだけに、手に取る前にある程度のミステリの基本は押さえておかないと、肝心のありがたみは伝わりにくいかもしれない。ミステリを読み始めの人や、普段ミステリを読まない人が読んでも、必ずしも楽しめるかどうかは難しい。そういう意味では本格への踏み絵的な位置づけになるとも言えるだろう。収録作は以下のとおり。

エドワード・D・ホック「十六号独房の問題」
エドワード・D・ホック「見えないアクロバットの謎」
ヘイク・タルボット「高台の家」
フランシス・マーテル「裸の壁」
グレンヴィル・ロビンズ「放送された肉体」
モートン・ウォルソン「ガラスの部屋」
E・V・ノックス「トムキンソンの鳥の話」
サミュエル・W・テイラー「罠」
ジョセフ・カミングス「湖の伝説」
ジョセフ・カミングス「悪魔のひじ」
スチュアート・パルマー「ブラスバンドの謎」
ウィル・スコット「消え失せた家」
ニコラス・オールド「見えない凶器」
ヴィンセント・コーニア「メッキの百合」
クリストファー・セント・ジョン・スプリッグ「死は八時半に訪れる」
マックス・アフォード「謎の毒殺」
C・デイリー・キング「危険なタリスマン」
ジョン・ディクスン・カー「ささやく影」

 メジャーどころはホックとカーの二人。ちょっと落ちてC・デイリー・キング、ヘイク・タルボット、スチュアート・パルマーといったところか。私も名前しか知らない作家や、名前すら知らない作家もいて、なんとも濃いラインナップだなあと思う。
 印象に残ったのは、何といってもサミュエル・W・テイラーの「罠」。日記を二人の人間が交互に書くという形をとっており、サスペンスが抜群。そのほかではやはりホックが安定したお話を書く作家でおすすめ。ジョセフ・カミングスも専門というぐらい不可能犯罪ばかりを扱う作家らしく、他の短編を読んでみたい気にさせられる作家だ。
 反対に腰砕けはフランシス・マーテルの「裸の壁」。ある意味、これも本書のなかではぜひ読んでおきたい作品といえるかも。笑えます。


テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



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