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 本日の読了本は日下三蔵/編『乱歩の幻影』。かの江戸川乱歩にまつわる短編を集めたアンソロジーで、収録作は以下のとおり。

高木彬光「小説 江戸川乱歩」
山田風太郎「伊賀の散歩者」
角田喜久雄「沼垂の女」
竹本健治「月の下の鏡のような犯罪」
中井英夫「緑青期」
蘭光生「乱歩を読みすぎた男」
服部正「龍の玉」
芦辺拓「屋根裏の乱歩者」
島田荘司「乱歩の幻影」
中島河太郎「伝記小説 江戸川乱歩」

 それぞれの作者がどのように大乱歩を料理しているのか、あまり難しくは考えずに楽しんだ。乱歩の作品をモチーフにしたもの、乱歩自身を主人公にしたもの、風太郎のように徹底的に遊んだものまでさまざま。完成度の高さから言えば表題作でもある島田荘司「乱歩の幻影」が一歩抜き出ている。雰囲気で言えば竹本健治「月の下の鏡のような犯罪」、角田喜久雄「沼垂の女」も好み。
 でも最初読むときに最も気になったのが、実は蘭光生「乱歩を読みすぎた男」。とにかくあの大ポルノ作家、蘭光生である。氏がどのような作品をものしたのか、これに注目しなくて何に注目せよと言うのか。
 とはいえ、蘭光生という名は氏の一面に過ぎない。実はワセミスの出身であり、間羊太郎名義でミステリ評論を書いていたり、式貴士名義でSFを書いていることもまた有名な事実だ。本書収録のタイトルだってウィリアム・ブルテンの有名なパロディシリーズ「○○を読みすぎた男」シリーズを踏まえている。蘭光生名義ながら、ここは意表を突いてガチガチのミステリを書いていたと読むところが、通というものであろう。
 そして一読……ポルノやん、やっぱ(笑)。

 ちなみに私はフリー時代に某出版社で、たまたま蘭光生氏の隣で仕事をしていたことがある。氏は缶詰状態だったはずだが、何でもあまり静かではかえって仕事がのらないらしく、わざわざ人のざわついているところで執筆していたそうだ。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



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