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 小松和彦/編『神隠し譚』を読む。タイトルどおり「神隠し」をテーマにしたアンソロジーだが、これはなんとも魅力的な一冊だった。まずは収録作品を御覧いただきたい。

松谷みよ子「神かくし」
平岩弓枝「神かくし」
高橋克彦「星の塔」
高橋克彦「神社の教室」
水木しげる「丸い輪の世界」
菊地秀行「水泡」
都筑道夫「かくれんぼ」
三橋一夫「湯河原奇遊」
石井睦美「おじょうさん、おはいんなさい」
泉鏡花「龍沢譚」
杉浦日向子「神隠し二話」
長尾誠夫「早池峰山の異人」
江戸川乱歩「お勢登場」
柳田国男「山の人生」

 このラインナップのセンスの良さ。神隠しでアンソロジーを組めば当然のように幻想系の作家が多くなるところを、ノンフィクションや歴史物、漫画、童話、文学と、バラエティーに富んだ作品で固めている。美しくも儚い物語を堪能できるというだけでなく、一読すれば神隠しが何であったのかということまで理解できるという見事な構成なのである。編者の小松和彦は文学者ではなく、民俗学や文化人類学の専門家で、そちらの評論も楽しめるものが多いが、こういうアンソロジーも組めるとは、いやさすがです。
 収録作はどれも楽しめるが、気になったのが長尾誠夫「早池峰山の異人」。なんと柳田国男を主人公にしたミステリだ。演出がクサすぎるきらいはあるが、柳田国男という天下の才人をうまく活かした異色作。どうやら長篇もあるようなので、ちょっと読んでみたいかも。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌


 吸血鬼をテーマにしたアンソロジー『屍鬼の血族』を一週間ぐらいかけて読み終える。収録作は以下のとおり。

江戸川乱歩「吸血鬼」
中河与一「吸血鬼」
城昌幸「吸血鬼」
柴田錬三郎「吸血鬼」
日影丈吉「吸血鬼」
岡部道男「ドラキュラ三話」
半村良「血霊」
梶尾真治「干し若」
新井素子「週に一度のお食事を」
赤川次郎「吸血鬼の静かな眠り」
三島由紀夫「仲間」
倉橋由美子「ヴァンピールの会」
中井英夫「影の狩人」
須永朝彦「契」
菊地秀行「D-ハルマゲドン」
岡本綺堂「一歩足の女」
都筑道夫「夜あけの吸血鬼」
夢枕獏「かわいい生贄」
大原まり子「愛撫(なだめ)」
種村季弘「吸血鬼入門」

 吸血鬼ものをこれだけまとめて読んだのは初めてだが、意外にあるもんだなとびっくり。東雅夫氏の編んだものだから、作品の粒も揃っており、この特殊なテーマさえ嫌いじゃなければ安心して読むことが出来る。
 アプローチも作家によってさまざまだが、和風にアレンジしつつも伝統的な展開を見せてくれる半村良の「血霊」や梶尾真治の「干し若」が好み。耽美的になるのは当然だが、それを逆手にとったような夢枕獏の「かわいい生贄」も馬鹿馬鹿しくて○。

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