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 横溝正史の珍しいところを立て続けに読んだせいか、古い探偵小説をいろいろ読みたくなってアンソロジー『死人実験』を手に取る。版元はKKベストセラーズで、副題に「探偵作家クラブ賞受賞作集」とあるとおり、日本推理作家協会賞の前身である探偵作家クラブ賞の受賞短編をまとめたものだ。もちろん絶品揃いである。
 なお、そこそこ古い本なので現在は絶版だが、あちらこちらのアンソロジー等で読める作品ばかりであり、わざわざ本書を探してまで読む必要はまったくない。私もほとんどが再読という有様であった。永瀬三吾の「売国奴」だけは少々探しにくかろうが、双葉文庫の『日本推理作家協会賞受賞作全集8』が現役のはず。
 ちなみに本書を読んで一番感じたのは、とにかく痴情がらみの動機が多いこと。この時代は男も女も情念が強いというかねちっこいというか。特に戦後に近い作品ほどその傾向が強いわけだが、これが戦後の復興が進んで人々の欲望が広がりを見せはじめると、動機も同じように広がりを見せてゆく。探偵小説も当時の世相をしかと映し出しているのだなと再認識した次第である。

木々高太郎「新月」
香山滋「海鰻荘奇談」
山田風太郎「眼中の悪魔」
山田風太郎「虚像淫楽」
大坪砂男「私刑」
島田一男「社会部記者」
水谷準「ある決闘」
永瀬三吾「売国奴」
日影丈吉「狐の鶏」
角田喜久雄「笛吹けば人が死ぬ」

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



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