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 カミさんが出かけてしまったため、一人で大掃除。四時頃にはなんとか終えて、おそらく今年最後であろう本屋巡りへいそいそと出かける。『日影丈吉全集』やら『世界ミステリ作家事典』をはじめとした新刊書を買い、おまけに新宿伊勢丹の古書展などもまわったために、一日で二万円あまりが本代で消えてゆく。財布は軽くなったけど、仕事のストレスはかなり解消。

 途中の電車で読み終えたのが長山靖生/編の『明治大正昭和 日米架空戦記集成』。第二次大戦中までに書かれた架空戦記のアンソロジーという珍品だが、海野十三や横溝正史、大阪圭吉、三橋一夫といったところも収録されているので、探偵小説マニアには見逃せない一冊である。
 もともとは中公文庫の「戦争の真実」フェアの一環として今年の夏に刊行されたものなのだが、その他の書籍がちゃんとした実録ものや体験記なのに、これだけ小説、しかも架空戦記というのは一体なんだったのだろう。フェア中の書店では、とにかくこの一冊が浮いてた記憶がある。他にもっとまともな戦記があるだろうに(笑)。おそらくは探偵小説好きの編集さんがいろいろと画策したんだろうなぁ。

有本芳水「少年軍事冒険小説 空中大戦争」
浅野一男「空中軍艦未来戦」
海野十三「防空小説 空行かば」
福永恭助「科学小説 暴れる怪力線」
那珂良二「海底国境線」
立川賢「科学小説 桑港けし飛ぶ」
河岡潮風「日米石油胆力戦争」
虎髯大尉=阿武天風「日米戦争夢物語」
横溝正史「現代小説 慰問文」
大阪圭吉「空中の散歩者」
三橋一夫「帰郷」

 収録作は以上だが、ハッキリ言ってマニアでもないかぎり、あまりおすすめできる内容ではない。国策の影響や知識の欠如、自我の肥大みたいなもので塗り固められている上に、子ども向けということも相まって、今読むのはかなり辛いものがある。
 そんななかで横溝正史らを初めとする探偵作家は、単なる戦争励賛を良しとしない意地みたいなものが感じられる気がするのは、ただのひいき目なのだろうか。特に正史の「慰問文」はさすがの一言。


テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



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