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 オーガスト・ダーレスといえば怪奇小説の書き手として知られているが、同時に怪奇小説の専門出版社「アーカム・ハウス」を興したことでも有名だ。その理由がラヴクラフトの本を出したいためだったというから、正に怪奇小説のために生まれてきたような人である。
 その一方で、彼はシャーロック・ホームズの愛好家でもあった。そちら方面の成果として有名なのが、「プレイド街のシャーロック・ホームズ」の異名をもつソーラー・ポンズのシリーズである。
 本日の読了本はそのポンズの活躍をまとめた『ソーラー・ポンズの事件簿』。まずは収録作から。
 
The Adventure of the Lost Locomotive「消えた機関車」
The Adventure of the Aluminum Crutch「アルミの松葉杖」
The Adventure of the Circular Room「丸い部屋」
The Adventure of the Man with the Broken Face「顔のつぶれた男」
The Adventure of the Missing Tenants「消えた住人」
The Adventure of the Retired Novelist「一人暮らしの小説家」
The Adventure of the Norcross Riddle「沼地の廃墟」
The Adventure of the Sotheby Salesman「サザビー村のセールスマン」
The Adventure of the Late Mr. Faversham「ファヴァシャム教授の失踪」
The Adventure of the Lost Holiday「好ましからざる人物」
The Adventure of the Seven Sisters「七人の娘」
The Adventure of the Paralytic Mendicant「半身不随の乞食」
The Adventure of the Tottenham Werewolf「トットナム村の狼男」

 ソーラー・ホ#12442;ンス#12441;の事件簿

 このシリーズが面白いのは、ソーラー・ポンズがいわゆる「シャーロック・ホームズのライヴァル」の一人であるにもかかわらず、ソーンダイクや思考機械、隅の老人のように、ホームズに対抗するだけのオリジナリティを持っていなかったことにある。というのも、本シリーズは、徹底的にホームズを模倣したパスティーシュ作品なのだ。

 そもそもこれを書いた動機が、ホームズの連載が終了したことで、その続きをどうしても読みたかったかららしい。ラヴクラフトに対してもそうだが、相当にオタク気質というか、自分でも著作活動をやっているのに他の作家の熱烈ファンになってしまうというのが何とも微笑ましい。
 ただ、確かに全体の雰囲気、主人公の設定などは聖典そっくりで(まあ、シャーロキアンでもないので細部がどうとかはわからないけれど)、そこは流石である。
 とはいえ、本家に比べるとサプライズの面では落ちるし、トリックとかもそれほど注目できるレベルではない。物語のありようを似せることだけに注力しすぎというか、どうしてもミステリとしてまとめるのに精一杯で、面白さはおいてけぼりになってしまっている。まあパロディ的な面白さはあるけれど。
 ダーレスは器用な作家だと思うが、全体的にはそれが裏目に出ているような印象であった。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



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