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 宝島社の『このミステリがすごい!2017年版』にようやく目を通す。昨年の記事で、各誌ランキングの同一化を憂えてみたりしたのだが、今年もそれほどの差はないようだ。トップグループは似たような顔ぶれで、下位グループに多少は個性が出ているような感じか。

 このミステリーがすごい!2017年版

 作り自体はいつものとおりで、基本的にはあっさり目。まあ、「このミス」もけっこう長く続いているから、今さら簡単に面白い企画が出るとも思えないが、それでも今年は「海外短編ミステリーベストテン」をやってくれているし、国産作家のエッセイ「私と海外ミステリー」があるので、まずまず楽しめる。
 本当は初心に帰ってもっと尖った内容にしてほしい気持ちはあるのだが、そのあたりはこの際ガマンするから、せめて普通にランキングそのものや紹介原稿のクオリティをあげてくれればいいのかなとも思う。
 ちなみにランキングのクオリティをあげるというと変な話に思えるが、これは要するに回答者を他誌と差別化し、独自性を強めてほしいということ。そもそもそういう成り立ちの本なのだから。

 本日、体調不良のため今日はこの辺で。


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 週刊文春、ミステリマガジンのベストテンに続いて、『このミステリーがすごい!2016年版』を購入。例によって海外編のみ目を通すと、1位の『スキン・コレクター』をはじめとして、案の定ほとんどの作品がかぶっており、昨年あたりから顕著になってきたランキングの同一化はますます進んでいるような印象だ。

 このミステリーがすごい!2016年版

 しかし印象だけではなんなので、今回は各ランキングの20位までを見比べてみることにした。ついでに平均順位も。データの正確性をできるだけ高めるために、このミスでしか発表していない20位以下は割愛。あくまで20以内にランクインしている作品のみ対象にしている。また、ランキングによって対象となる刊行時期が異なるため(ミステリマガジンのみ1ケ月早いのである)、1つしかランクインしていないものは省き、2つのランキングにランクインしているもののみ取り上げている。

2016年ランキング

 で、その結果がこちら。
 ミステリマガジンでは刊行時期の対象になっていない『悲しみのイレーヌ』と『スキンコレクター』が1位を分け合っている。ミステリマガジンのみ『ありふれた祈り』なのだが、この上位二作品がミステリマガジンでも対象になっていれば、ランキングはますます似たような結果になったことだろう。
 下位ランクになれば多少のばらつきはあるが、まあベストテンあたりまでは本当にそっくりで、この傾向はここ数年で一気に加速した感があり、これではわざわざ三つもランキングを発表する意味がない。少なくとも以前は、このミスと文春に関してはきっちりと違いがあって比較するのも面白かった。そもそもこのミス誕生のきっかけが、文春ランキングに対する批判精神から出たことを思うと寂しいかぎりだ。
 昨年も書いたが、原因はやはり情報の共有化が進みすぎていること、また、これは調べてみないとわからないが、ランキングの投票者がかなりかぶっているのではないかということも考えられる。
 まあ、所詮遊びなんだけれど、遊びだからこそ真剣にやってほしい。

 あと、今年だけの問題でもないのだが、ミステリマガジンの対象期間だけはなんとかしてほしい。
 そもそもどれも2016年版と謳っているのだから、本来は2015年中に刊行された作品が対象になっていなければならない。しかし商売上、他社よりも早く出したいのだろう。文春とこのミスは10月末までが対象で、これだって11月12月の作品は来年度にこぼれるというのに、ミステリマガジンに至っては9月末で締めている。おかげで他のランキングではワンツーフィニッシュの圧倒的二作品がミステリマガジンでは欠片も触れられていないという始末。
 版元も暮れにかけて目玉作品を出すところは多いと思うのだが、それがせっかくのランキングに載らないのはもったいない話で、なんのためのランキングなのかよくわからなくなってくる。来年度版に載るからいいじゃないか、なんてのは単なる言い訳にすぎず、2016年版というなら2016年に出た作品でやってくれよというシンプルな話である。読者にとっては迷惑でしかない。

 『このミステリーがすごい!2016年版』に話を戻すと、こちらもいっこうに士気が上がらない。ここ数年の劣化は目に余るものがあり、企画ものはほとんどなし。作家と出版社の隠し球ぐらいしか読むところがない。
 ランキング載せてよしとするならネットや雑誌でいいものなぁ。なんでこんなにしょぼくなったのかなぁ。


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 年末恒例ベストテンもこれで打ち止め、『このミステリーがすごい!2015年版』を読む。

 このミステリーがすごい!2015年版

 つい先日の『週刊文春』2014年12月11日号「ミステリーベスト10」の記事で、『このミス』までトップ3が一緒になったら嫌だな、なんて話を書いたのだが、これがまあ見事に予感的中。順位までしっかり同じで、思わず腰から砕けてしまった(笑)。
 すなわち一位『その女アレックス』、二位『秘密』、三位『ゴーストマン 時限紙幣』である。

 その作品がダントツに面白いというのであれば、まあ一位独占はあるかもしれないし、それが『その女アレックス』でも全然かまわないのだが、三位まで一緒というのはどうなんだろうな。
 これも前の記事の繰り返しになってしまうが、やはりネットの影響で情報が共有されすぎているのが、最も大きな原因なのだろう。投票者にしても一年間に読む冊数は限られているわけで、当然ながらむやみやたらに読むわけではないだろう。巷で話題になっているもの、出版社がプッシュするものなど、何らかの情報を受けての選択のはずである。
 したがって、現在のランキングの多くが得票ポイントで決められている以上、まずは投票者の目に多く触れたものが圧倒的に有利になるのは必然だろう。
 それでも本格ミステリ限定だとか、『週刊文春』の権威主義的ベストテンに対するアンチテーゼとか、いろいろと方向性を打ち出していればベストテンにもそれなりのカラーが出て楽しめるのだが、そういう方向性も今ではあまり感じられない。ごくごく普通にベストを出すだけだものなぁ。

 普通にやるしかないのなら、せめてベストテンの価値を高めるためにも、該当作品の八割を読んだ者しか投票できないとか、八割が難しいなら責任を持たせる意味で投票者の読んだ本のリストをさらすとか、あるいは加算ポイントではなく投票点のアベレージで競うとか、いろいろ手はあるんだがなぁ。そういう企画はないのかい?

 『このミス』の企画記事もここのところ低調だ。
 今回の目玉は国内短篇のオールタイムベストテン。まあ、この企画自体の意義は認めるものの、いかんせんオーソドックスすぎる。こういう特集こそ文春あたりに任せて、『このミス』はもっとチャレンジすべきだろう。「ミステリが読みたい!」が雑誌に入ってしまって書籍でのライバルがいなくなったせいか、昨年あたりから急に保守的になった気がする。
 とにかくランキングが同じ、企画記事もありきたりではでは『このミス』を買う意味がどんどん薄れてしまう。創刊当時のいかがわしさと熱気をぜひ取り戻してほしいものだ。


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 年末恒例ランキング本の締めくくりとして『このミステリーがすごい!2014年版』に目を通す。
 が、この数年『このミス』に期待することは正直まったくない。
 かつて自社の作品や話題作ばかりをランクインさせていた『週刊文春』のベスト10に対するアンチテーゼとして登場した『このミス』。そんな熱き精神はどこへやら、今では自社の大賞作家の作品を毎回載せているぐらいだから何をかいわんや、である。今年も某作家の作品が相変わらず載っているのだが、短編どころか抄録というのだから恐れ入る。
 まあ、それでも資料としては便利なので、買う価値がないとは言わない。むしろ管理人などは毎年のように買っているのだから、もう少しそんな読者の気持ちを考えた本作りはできないものだろうか?

 このミステリーがすごい!2014年版

 のっけから辛いことを書いてしまったが、一応、2014年度版ならではの好企画もないではない。
 「復刊希望!幻の名作はコレだ!」は、「このミス」誕生以前の名作を取り上げようということで、最初の東京オリンピックが開催された1964年から「このミス」創刊の1988年に絞って、名作をランキングするというもの。国内編は『本格ミステリフラッシュバック』とかなり期間がかぶるのであまり旨味はないのだが、海外編はそれなりに役に立つのではなかろうか。オールタイムベストではひっかからない作品が拾えるという意味ではナイスである。
 ただ、企画としては悪くないのだから、どうせやるならもっときちんとした形でやってほしい。対象となる時代を考えると選者をもっとしっかり選定すべきだし、期間も適当にオリンピック合わせにするのではなく、より意義のあるものにした方がよい。
 現状はそれこそ単なる人気投票レベルであり、うまくすりゃこれで一冊ムックができそうな企画だけに、適当にやっつけた感が惜しまれる。

 肝心のベストテンだが(例によって拙サイトでは海外もののみを対象としております)、キング堂々の一位。ここへミネット・ウォルターズ、ウィングフィールドが続くのだが、今年は本当に大御所が強くてまったく波乱なし。どのベストもほんとに似たような結果である。
 先日の日記でも書いたばかりだが、ここまでベストテンが似てくると三つも四つも要らなくなるんだよなぁ。それでもビジネスとして続けたいのであれば、やはり他所には負けない企画をやってほしいものである。


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 今年は個人的事情により大掃除をかなり小分けにして早めに始めているのだが、小分けにしているわりにはけっこう時間をとられて、ほとんど何もしないうちに(まあ掃除はやっているけれど)この週末が終わってしまう。読書も映画もやや停滞気味である。
 本日はレンジ周りと冷蔵庫回りを中心に片付けたのだが、けっこう無理な体勢がたたって腰痛がぶり返してしまう。運動不足痛感。



 このミステリーがすごい!2013年版

 上でも書いたように本日は体力的にきついので、『このミステリーがすごい!2013年版』の感想でお茶を濁す。自分で取りあげておいて何だが、いいかげんランキング本の話題も食傷気味になってきた(苦笑)。まあ、これで最後だし、これだけ触れないのもあれなので、サクッといきます。

 一応、目玉は座談会二連発になるのだろうか。ひとつはローレンス・ブロックを招いて伊坂幸太郎、田口俊樹が加わる形だが、これ、座談会というよりは二人の作家に二人のインタビュアーが質問しているという感じ(笑)。内容は面白いけれど、この形はちょっと無理があったのでは。
 もうひとつは、久々に復活した覆面座談会ならぬ架空座談会。これは何といっていいのやら(苦笑)。正直、あまりにギャグが寒くて読むのがしんどかった……。
 その他の内容自体は良くも悪くもいつものとおり。ランキングのレビューを中心に、人気作家56名による「私の隠し玉」、出版社による「我が社の隠し玉」といった定番企画は面白く読ませるが、需要がよくわからない短編小説も相変わらずボリュームたっぷり(泣)。

 海外編のランキングはスティーヴ・ハミルトン『解錠師』が『週刊文春』の「ミステリーベスト10」に続いてトップ。ただし、アーナルデュル・インドリダソン『湿地』は2位とはいかず、今回は4位という結果である。
 他のベスト本に入っていない作品としては、デュレンマット『失脚/巫女の死』、ローレンス・ブロック『償いの報酬』が健闘。そう、ブロックも該当していたんだよなぁ。出るのがもう少し早ければ、各ランキングを賑わせた気もするのだが惜しいことである。いや、そう言いながらまだ読んじゃいないんですけどね。

 ちなみに『解錠師』は早くも文庫化されて書店に並んでいるが、ううむ、カバーのイメージが違いすぎる……。


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