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 土曜から日曜にかけて『X-MEN』と『X-MEN2』を立て続けに見てみたが、さすがに食傷気味。これはアメコミの問題というよりハリウッドの特撮アクションに飽きてきたのだろうな。決してこういうのは嫌いじゃないのだが、もはやちょっとやそっとの特撮やCGでは誰も驚かないだろうし、せめてその絵をクライマックスに生かすための、巧い伏線を張ってほしい。お話自体はシンプルな人種差別テーマで、政府のミュータント対策が極端なのがまた時代錯誤というか……。

 読了本は宇能鴻一郎の『べろべろの母ちゃんは……』。出版芸術社の「ふしぎ文学館」のシリーズだが、これが出たときはさすがにびっくりした。いや、確かに言われてみれば、宇能鴻一郎の一時期の作品は、非常に「ふしぎ文学館」向きの作品揃いなのだ。
 今でこそ「わたし~しちゃったんです」文体のポルノ作家として有名になった宇能鴻一郎だが、もともと芥川賞を受賞した純文学作家である。そして、純文学からポルノに至る過程として、性愛のいろいろな形を作品で追求し、発表していた時期がある。その時期の作品にスポットをあて、代表作を集めたものが本書だ。
 しかし、まとめて読むと、これがまた実に濃い。
 端的に言うと、人はどこまで愛に生きることができるのか、その極限を描いた作品ばかりである。SMや同性愛、フェチシズム、果てはカニバリズムに至るまで、その愛の形はさまざま。だが、どれもこれも行くところまで行っているので昇華した感すらある。ただの性愛小説に終わらない作品の数々からは、「変格」や「不健全派」と呼ばれたかつての探偵小説と共通する匂いがある。読者はただただ悪夢に飲み込まれてゆけばよい。
 正直、万人にお勧めできる本ではないが、宇能鴻一郎という幻想作家、猟奇作家を知るための手段としては、この上ない一冊になろう。

「地獄の愛」
「柘榴」
「花魁小桜の足」
「菜人記」
「わが初恋の阿部お定」
「狩猟小屋夜ばなし」
「美女降霊」
「べろべろの、母ちゃんは……」
「お菓子の家の魔女」
「リソペディオンの呪い」

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



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