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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


Posted in "国内作家 陳舜臣"

Category: 国内作家 陳舜臣    10 13, 2018
陳舜臣『方壺園』(中央公論社)
 陳舜臣といえば一般には歴史小説の作家として知られているが、ミステリファンにとっては、やはり陶展文シリーズをはじめとする本格探偵作家というイメージだろう。本日の読了本はそんな陳舜臣の短編集『方壺園』である。まずは収録作。「方壺園」「大南営」
「九雷渓」「梨の花」「アルバムより」「獣心図」  本短編集は陳舜臣の代表作のひとつとしてよく挙げられる作品だが、読んでそれも納得。その理由は大きくふたつあって...

Category: 国内作家 陳舜臣    04 07, 2017
陳舜臣『炎に絵を』(出版芸術社)
 陳舜臣の『炎に絵を』を読む。著者のミステリはしっかりした本格であることも魅力だが、加えて自身の体験を活かし、神戸や中国人の文化を盛り込んだエキゾチックな世界観もまたよろしく、実にオリジナリティにあふれた作品が多い。 惜しむらくは作風が地味なところか。これまで何冊か読んでみたが、派手なストーリーやトリックとはあまり縁がない印象だった。 ただ、本作に関してはそんな評価はあたらない。噂には聞いていたが...

Category: 国内作家 陳舜臣    05 14, 2016
陳舜臣『三色の家』(昭和ミステリ秘宝)
 陳舜臣の『三色の家』を読む。 扶桑社から出た 「昭和ミステリ秘宝」版で読んだのだが、本書は表題作に加えて長編『弓の部屋』、短編「心で見た」というラインナップ。『弓の部屋』は以前に感想をアップしているので(こちらをどうぞ)今回は割愛。本日は『三色の家』と「心で見た」にフォーカスしよう。  まずは『三色の家』から。 昭和八年のこと。日本での留学生活を終え、帰国の準備を進めていた陶展文のもとへ、友人の...

Category: 国内作家 陳舜臣    10 21, 2015
陳舜臣『弓の部屋』(講談社文庫)
 先日読んだ『風花島殺人事件』がきっかけで、それが取り上げられていた「必読本格推理三十編」を眺めていると、 読んでいない作品がまだいくつかあることに気づく。 だいたいが1960〜1980年頃の作品で、要するに『本格ミステリフラッシュバック』の時期である。まあ、このあたりの作家はもともとそんなに読んでいなくて、ここ数年でぼちぼち埋めていこうとは思っていたところなのだが、ううむ、それにしても取りこぼしが多くて...

Category: 国内作家 陳舜臣    03 08, 2015
陳舜臣『枯草の根』(講談社文庫)
 陳舜臣の処女作にして乱歩賞受賞作の『枯草の根』を読む。もともと今年あたまの訃報を機に初期作品をいくつか読んでおこうかと思っていたところへ、先日読んだばかりの『探偵小説の街・神戸』も背中を押してくれた感じ。  師走のある日、神戸のアパートの一室で、金融業を営む老中国人の死体が発見される。死因は絞殺と見られ、ただちに捜査が開始された。やがて犯行のあった夜、彼の部屋を幾人かが訪れていたことが明らかにな...

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プロフィール

sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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