Posted in "海外作家 ギルバート, マイケル"
- Category: 海外作家 ギルバート, マイケル 03 30, 2011
- マイケル・ギルバート『十二夜殺人事件』(集英社文庫)
- 震災の影響はまだまだ残っているし、復興もこれからである。だが喉もと過ぎれば何とやらで、既にくだらない言動がテレビやネット上でいろいろ目につくようになってきた。それが間違ったことでなくても、自分の言動がどういうふうに相手や周囲に届いているのか、想像できない人が多いことに悲しくなる。変な自粛はどうかと思うし、連帯感の押しつけも違うんじゃないかと思う。また、そういう考えを逆手に取ったただの悪ふざけにも...
- Category: 海外作家 ギルバート, マイケル 05 15, 2009
- マイケル・ギルバート『ケイティ殺人事件』(集英社)
- 六年前に創元推理文庫から出た『捕虜収容所の死』で、一躍知名度&評価の高まったマイケル・ギルバート。その後も文庫化があったり新刊が出たりしているが、実は絶版になっている中にもいい作品が残っている。それを思い知らされたのが、本日の読了本『ケイティ殺人事件』だ。 ハニントンはどこにでもあるようなイングランドの田舎町。だが他の町とひとつ違うのは、地元出身の人気美人タレント”ケイティ”が住んで...
- Category: 海外作家 ギルバート, マイケル 08 03, 2006
- マイケル・ギルバート『愚者は怖れず』(論創海外ミステリ)
- マイケル・ギルバートの『愚者は怖れず』読了。 とある中学校の校長、ウェザロールは大変に正義感の強い男だが、同時に好奇心の強い男でもある。要は身の回りに起こった出来事に口を出さずにはいられない性格なのだが、とうとうそれが災いし、ウェザロールはとんでもない大事件に巻き込まれる羽目になる……。 ミステリーとしてはそれほど評価できる作品ではない。主人公の推理と行動は、それほど理にかなったものでもなく、どち...
- Category: 海外作家 ギルバート, マイケル 11 09, 2005
- マイケル・ギルバート『スモールボーン氏は不在』(小学館)
- マイケル・ギルバートの『スモールボーン氏は不在』読了。 被害者が法律事務所の書類保管箱から発見されるという出だしこそ派手だが、あとはいたって地味な仕上がり。ある意味、今までに読んだマイケル・ギルバートの作品の中ではもっとも本格探偵小説っぽいスタイルではあるが、その地味さでも今まで読んだ中では一番である。 だが登場人物の多彩さと、その会話の妙でリーダビリティは予想以上に高く、どんどん引っ張ってゆく...
- Category: 海外作家 ギルバート, マイケル 10 27, 2005
- マイケル・ギルバート『空高く』(ハヤカワ文庫)
- 二、三日前から神田神保町では恒例の古本祭の準備が始まり、明日からはいよいよ本番。あいにく昨日は雨だったが、週末の天気が気になるところだ。当然ながら晴れてくれないことには見てまわる気にもならないが、店側の苦労はそんなもんじゃないんだろう。せめて雨が降らないよう祈るばかりです。 本日の読了本はマイケル・ギルバートの『空高く』。ハヤカワ文庫版。元々はハヤカワミステリでの刊行だが、『捕虜収容所の死』のヒ...
- Category: 海外作家 ギルバート, マイケル 10 19, 2005
- マイケル・ギルバート『金融街にもぐら一匹』(文春文庫)
- 先日読んだ『捕虜収容所の死』にいたく感動し、今度は『金融街にもぐら一匹』を手に取る。 主人公はモーガンとスーザンという同棲中のカップル。だがモーガンは勤務態度に問題があり、務めていた公認会計事務所を追い出される始末。一方、スーザンは会社の若社長をサポートするうち、親会社の社長に認められる。そんな二人が喧嘩別れするのに大した時間はかからなかった。モーガンは転職先の旅行会社でも事件に巻き込まれ、さら...
- Category: 海外作家 ギルバート, マイケル 10 09, 2005
- マイケル・ギルバート『捕虜収容所の死』(創元推理文庫)
- 時は一九四三年七月。イタリアの第一二七捕虜収容所では、英軍捕虜の手で密かに脱出用トンネルが掘り進められていた。ところがそのトンネルで、収容所側のスパイ容疑がかかっていたギリシャ人幌の死体が発見される。トンネルの入り口を開けるには四人の手が必要であり、ある種の密室的状況であった。ともかくトンネル発覚を怖れた捕虜たちは、とりあえず死体を別のトンネルに移し、事故を偽装することにした。だが、収容所側はこ...