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 DVDで『妖怪大戦争』を観る。超B級に仕立てようとする狙いは十分わかるが、ストーリーや特撮にムラがありすぎ、いまひとつ乗り切れない。見所も多いのだが、肝心なところでしょっぱさが目立つというか。例えばスネコスリの特撮部分、妖怪の戦い、宮迫演じる編集者のエピソードなど、肝になる部分が弱すぎ。力の入れ具合が間違っているような気がする。

 読了本は中村真一郎、福永武彦、堀田善衛の共作『発光妖精とモスラ』。妖怪に怪獣……、少しは自分の歳も考えねばと思うのだが、好きなものは仕方ない(苦笑)。
 それはともかく。
 この『発光妖精とモスラ』という作品は映画『モスラ』の原作にあたるわけだが、原作が先に書かれたわけではない。まず映画の企画が先にあり、そこから作家に本の依頼があるという具合。この辺は香山滋の『ゴジラ』と同様で、そもそも『ゴジラ』のヒットを受けて企画された作品だから、これは不思議でも何でもない。ただ何故に中村真一郎なのか(他の二人は中村真一郎から協力を求められたらしい)。箔をつける意味合いもあるのだろうが、怪獣という特殊なジャンルを描くなら、もう少しそれらしい作家に頼む手もあったと思うのだが。このあたりの事情が気になるところである。
 ただ結果的にはこの三人の起用がなかなか成功している。原作といっても脚本化が前提なのでさっぱりしたものだが、肝となる当時の安保闘争などに代表される反米思想は強烈。彼らが『モスラ』をただの怪獣映画に終わらせず、社会派のドラマとして通用するものを目指したことは想像に難くない。これは香山滋の『ゴジラ』にもいえることで、まだ怪獣映画が大人向けに作られていた証しでもある。誰にでも、という本でもないが、下手なノンフィクションよりは当時の世相を体感できるかもしれない。

テーマ:SF小説 - ジャンル:本・雑誌



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