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 紅東一の『午前零時の男 他三編』を読む。
 おなじみ西荻窪の古書店・盛林堂書房さんが発行している「盛林堂ミステリアス文庫」の一冊である。論創ミステリ叢書顔負けのレア企画を連発する同シリーズだが、今回は装丁も凝っていて、探偵小説マニアが泣いて喜ぶ?昭和四十年頃の白背・春陽文庫の装丁をそのまま流用したデザインで、その再現度はなかなか素晴らしい。

 肝心の中身だが、まず紅東一という著者名からしてレアすぎてよくわからない。それもそのはず、これが実はあの潮寒二の別名義なのだ。といっても一般の人には、潮寒二だってほとんど通じないだろうけれど(苦笑)。
 まあ、管理人も実際読んだのはアンソロジーで二、三作というレベルだが、これがまた強烈な作風で、とにかく粘着質というか、グロ変格の極みである。しかし、実はかなり器用な作家でもあったようで、いくつものペンネームを駆使して作品を書き分けていたらしい。
 紅東一はそんな著者の別名義のひとつだが、その名義で書かれた作品はなんとハードボイルド小説であった。

 午前零時の男 他三編

「深夜の対決」
「午前零時の男」
「無国籍者」
「地獄への階段」

 収録作は以上。ハードボイルドと紹介はしてみたものの、いわゆる正統派ハードボイルドとはほど遠く、昭和三十〜四十年頃の日活アクション映画風である。国際的な犯罪組織を舞台にした作品が多いけれど、世界観はチープで、暴力とエロが全編を支配する。
 こういうものばかり続けて読むのはあれだが、たまに読む分には新鮮で、まあ、正直けっこう楽しめた(笑)。意外にオチもあったりして、個人的には密命を帯びた女性の用心棒を描いた「無国籍者」が好み。続いて「地獄の階段」、「深夜の対決」の順か。
 表題作はタイトルこそ一番かっこいいが、内容はううむ。やはりこういう作品はあっち側の人間を主人公にした方がしっくり来るな。



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