Posted in "海外作家 スターリング, トマス"
- Category: 海外作家 スターリング, トマス 07 18, 2021
- トマス・スターリング『ドアのない家』(ハヤカワミステリ)
- トマス・スターリングの『一日の悪』が予想以上に面白かったので、もう一冊翻訳されていた『ドアのない家』を読む。著者のデビュー作でもある。 富豪の娘ハンナ・カーペンターは父の死と婚約者との破談によって、天涯孤独の身となり、世間との繋がりを絶つことにする。ホテルの一室を借りると、生活は遺産とその投資で乗り切り、あとはひたすら部屋に引きこもったのである。 そして三十四年が経ち、ハンナは外へ出ることを決意...
- Category: 海外作家 スターリング, トマス 02 21, 2021
- トマス・スターリング『一日の悪』(ハヤカワミステリ)
- ポケミスの復刊フェアに入ったこともあるなど、作品の質はけっこう高いはずだが、その割にはあまりベスト企画などには入らない。言ってみれば知る人ぞ知る、といった位置付けになるのだろうか。本日の読了本はトマス・スターリングの『一日の悪』。 なるほど。これは悪くない作品だ。 ポケミスで僅か二百ページあまり(活字は小さいけれど)、登場人物は僅か六人というコンパクトな作品だが、財産贈与をめぐっての駆け引きが...