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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


Posted in "国内作家 谷崎潤一郎"

Category: 国内作家 谷崎潤一郎    09 04, 2016
谷崎潤一郎『谷崎潤一郎犯罪小説集』(集英社文庫)
 『武州公秘話』に続いて、本日も谷崎潤一郎。ものは集英社文庫版の『谷崎潤一郎犯罪小説集』である。 谷崎潤一郎は乱歩や正史に先駆けて探偵小説や犯罪小説の類を書き、彼らにも大きな影響を与えたとされている。ただ、谷崎自身は探偵小説と言われることをあまり好ましく思っていなかったようだし、その作品の狙いはあくまで一般的な意味での探偵小説とは別のところにあるのだが、それでも結果的に彼の作品のいくつかは、日本の...

Category: 国内作家 谷崎潤一郎    09 03, 2016
谷崎潤一郎『武州公秘話』(中公文庫)
 谷崎潤一郎の『武州公秘話』を読む。 「途上」や「私」、「柳湯の事件」といった探偵小説や犯罪小説を発表し、乱歩や正史にも大きな影響を与えたことで知られる谷崎純一郎。そもそも谷崎が追求した耽美主義や「筋の面白さ」といったものが、非常に探偵小説とも相性がよいわけで、極端な話、「秘密」や「刺青」「卍」あたりもみんなその類に入れてOKじゃないかという気もするぐらいだ。 まあ、さすがにそれは乱暴だろうけれど、...

Category: 国内作家 谷崎潤一郎    05 21, 2006
谷崎潤一郎『人魚の嘆き・魔術師』(中公文庫)
 何となく発作的に谷崎潤一郎が読みたくなって、中公文庫の『人魚の嘆き・魔術師』を読んでみる。 初期の幻想的な短めの中編を二つまとめた作品集だ。どちらもとりたてて難解なテーマがあるようには思えず、これは素直に美に執着する人間を描いたものと解釈すればよいのだろう。とはいえなにせ人魚と魔術師である。普通の「美」と一線を画すことは当然だが、意外と大きく踏み外すこともないのが谷崎潤一郎ならでは。例えば人魚を...

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プロフィール

sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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