Posted in "国内作家 葉山嘉樹"
- Category: 国内作家 葉山嘉樹 07 31, 2022
- 葉山嘉樹『葉山嘉樹短篇集』(岩波文庫)
- 純文学の作家でも探偵小説や怪奇小説を書いた人は多いが、それには大きく二種類ある。著者が意識して探偵小説や怪奇小説を書いている場合と、本人はまったく意識していなかったのに、結果的に書いたものがそうなっていたという場合である。 大正・昭和のプロレタリア文学を代表する作家、葉山嘉樹も後者の一人だろう。教科書にも採用されたことがある「セメント樽の中の手紙」などは優れたプロレタリア文学でありながら、同時に...