Posted in 07 2003
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野村胡堂『地底の都』(少年倶楽部文庫)
仕事の忙しさから、楽な本に走りがちな今日この頃。重い内容のものや筋を追っていくのが疲れるものはついつい敬遠しがちである。こういうときは肩の凝らないエッセイ系か、読んでいるだけで心地よい幻想系がどうしても多くなるのだが、本日は遂にジュヴナイルに手を出してしまった。
その本とは、銭形平次でお馴染みの野村胡堂作『地底の都』。講談社が昭和五十年頃に出していた少年倶楽部文庫版である(ちなみにこの少年倶楽部文庫というのも最近ではけっこういい古書値がついているで困ります。読んでみたいものがけっこう残っているのに)。
考古学者の春日万里博士一家が何者かによって誘拐された。たまたま旅行に出ていて難を逃れた博士の息子、陽一とその従兄弟、哲郎の二人。彼らは帰りの車中で知り合ったサーカス団を脱走した少年、千松と共に、博士を誘拐した一味を追い、知恵と勇気と団結で戦いを挑む!
うーん、堪能しました。テイストは乱歩の少年探偵団にかなり近くて、三人の少年がそれぞれ持っている得意分野を武器に、悪人たちを追いつめていく過程が大変楽しめる。リーダー的存在の陽一、推理力の哲郎、アクションの千松。まず彼らのキャラクターが際だっている。そしてその能力を披露する見せ場も、非常にいいテンポ。もともと月刊誌連載なので、この手のストーリー展開にちょうどマッチしている印象である。冒険小説的ではあるが、暗号が三種類も出てきたり、哲郎少年の推理など、ミステリー的な味付けも十分。
強引すぎるほどのご都合主義がボロボロ出てくるが(笑)、まあ、その辺さえ目をつむれば、これはなかなか悪くない。っていうかホント面白いわ、こりゃ。小学生のときに読んだ少年探偵団の興奮を少し思いだしてしまった。マジで。
その本とは、銭形平次でお馴染みの野村胡堂作『地底の都』。講談社が昭和五十年頃に出していた少年倶楽部文庫版である(ちなみにこの少年倶楽部文庫というのも最近ではけっこういい古書値がついているで困ります。読んでみたいものがけっこう残っているのに)。
考古学者の春日万里博士一家が何者かによって誘拐された。たまたま旅行に出ていて難を逃れた博士の息子、陽一とその従兄弟、哲郎の二人。彼らは帰りの車中で知り合ったサーカス団を脱走した少年、千松と共に、博士を誘拐した一味を追い、知恵と勇気と団結で戦いを挑む!
うーん、堪能しました。テイストは乱歩の少年探偵団にかなり近くて、三人の少年がそれぞれ持っている得意分野を武器に、悪人たちを追いつめていく過程が大変楽しめる。リーダー的存在の陽一、推理力の哲郎、アクションの千松。まず彼らのキャラクターが際だっている。そしてその能力を披露する見せ場も、非常にいいテンポ。もともと月刊誌連載なので、この手のストーリー展開にちょうどマッチしている印象である。冒険小説的ではあるが、暗号が三種類も出てきたり、哲郎少年の推理など、ミステリー的な味付けも十分。
強引すぎるほどのご都合主義がボロボロ出てくるが(笑)、まあ、その辺さえ目をつむれば、これはなかなか悪くない。っていうかホント面白いわ、こりゃ。小学生のときに読んだ少年探偵団の興奮を少し思いだしてしまった。マジで。