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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


Posted in 01 2004

ジェラルド・カーシュ『廃墟の歌声』(晶文社)

 晶文社ミステリの『廃墟の歌声』読了。本作の前に出版された『壜の中の手記』がかなり好評だったようで、思いのほか早く出版されたカーシュの第二弾である。『壜の中の手記』を読んだことがある人ならおわかりのように、やはり最初にセンスというか才能ありきの作風なので、こちらも安心して楽しむことができる。
 今回、特に嬉しかったのは、天才詐欺師にして大泥棒のカームジン・シリーズがいくつか掲載されていることだろう。幻想的な話が中心のカーシュだが、こういうものもけっこう書いていたとは知らなかった。本格ではないにしろ、なかなかエスプリの効いたミステリで、これならカームジンだけの短編集も読みたいところである。
 最後に収録作。

Voices in the Dust of Annan「廃墟の歌声」
The Beggar's Stone「乞食の石」
The Epistle of Simple Simon「無学のシモンの書簡」
Reflections in a Tablespoon「一匙の偶然」
The Devil That Troubled the Chessboard「盤上の悪魔」
The Hospitality of Miss Tolliver「ミス・トリヴァーのおもてなし」
The Sympathetic Souse「飲酒の弊害」
Karmesin, Bank Robber「カームジンの銀行泥棒」
Karmesin, Jewel Thief「カームジンの宝石泥棒」
Karmesin and the Unbeliever「カームジンとあの世を信じない男」
A Deal in Overcoats「重ね着した名画」
The Oracle of the Fish「魚のお告げ」
Whatever Happened to Corporal Cuckoo?「クックー伍長の身の上話」


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sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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