Posted in 12 2007
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極私的ベストテン2007
大晦日。今年の三月にスタートしたこのブログだが、何とか年内まで続けることができて一安心。また、いろいろな人に読んでいただけ、感謝感謝であります。
で、一年の締めとして何かやろうかと考えたのだが、やっぱベストテンかなと。管理人sugataが今年読んだ小説での極私的ベストテン。国内海外老若男女発売日等一切不問、今年読んでブログにアップしたものだけが対象である。
では、そのランキング、ご覧下さい。
1位 高城高『X橋付近』(荒蝦夷)
2位 レオ・ブルース『骨と髪』(原書房)
3位 ジャック・リッチー『クライム・マシン』(晶文社)
4位 楠田匡介『楠田匡介名作選 脱獄囚』(河出文庫)
5位 ヘンリー・ウエイド『議会に死体』(原書房)
6位 野村胡堂『野村胡堂探偵小説全集』(作品社)
7位 ポール・ドハティー『毒杯の囀り』(創元推理文庫)
8位 ウォルター・テヴィス『ハスラー』(扶桑社ミステリー)
9位 グラディス・ミッチェル『ウォンドルズ・パーヴァの謎』(河出書房新社)
10位 マイケル・マーシャル・スミス『スペアーズ』(ソニー・マガジンズ)
うむ、我ながらまとまりのないランキングである(笑)。まあ、作品の質というよりは管理人の好きな作品という傾向の方が強いので、これは容赦下され。順位もとりあえず、という感じで、明日選んだら、また変わる可能性も大である。
セレクトの際に重きをおいているのは、「味」ということになるだろうか。いかにすぐれたトリックがあろうと、いかに面白いストーリーであろうと、その作者だけが出せる味がないことには読んでいて退屈なだけなのだ。強いていえば、オリジナリティ・プラスαという感じだろうか。
軽くコメント。順位はとりあえず、と書いたが、1位『X橋付近』だけは別である。この作者の作品を初めてまとめて読んで、日本のハードボイルド黎明期にここまでの作品を書いた人がいたことに驚愕した。河野典生、大藪春彦らが同時代にいて、なぜ日本にハードボイルドが広まらなかったのか、実に不思議だ。なお、創元推理文庫で高城高全集がスタートするらしいが、地方出版社の企画に便乗するようなみっともないことはしてないで、さっさと渡辺温を出しなさい。
『楠田匡介名作選 脱獄囚』『野村胡堂探偵小説全集』も高城高同様、復刻ブームのおかげで読めるようになった作品。『離れた家 山沢晴雄傑作集』も良かったのだが、まさに「味」の部分でこの三作には及ばなかった。
『骨と髪』、『議会に死体』、『ウォンドルズ・パーヴァの謎』は完全に管理人のど真ん中。ガチガチの本格系よりは、渋いというかひねくれているというか、そんな方々が好みなのである。そんななか歴史ものの『毒杯の囀り』はごくごくオーソドックスな本格だけれども実に楽しい作品でこれもランクイン。
最近は各種短編集も流行だが、藤原編集室さんの『クライム・マシン』をピックアップ。トゥーイもよかったんだが、とりあえず代表でこちらを。
やや異色なのは『ハスラー』と『スペアーズ』。こちらはそれぞれギャンブル小説とSF小説になるのだが、根幹を為すのは主人公の生き様であり、優れたハードボイルド小説にもなっているのがミソ。
以上、駆け足になったが、これが今年のマイ・フェイバリット。
他にも『離れた家 山沢晴雄傑作集』とかセオドア・ロスコー『死の相続』、ドナルド・E・ウェストレイク『殺しあい』、ローレンス・ブロック『快盗タナーは眠らない』、ジョゼフ・ウォンボー『ハリウッドの殺人』、コーネル・ウールリッチ『マネキンさん今晩は』、ロバート・トゥーイ『物しか書けなかった物書き』、ジェフリー・ディーヴァー『ウォッチメイカー』など入れたい作品はまだまだあって、おお、そう考えるとなかなか充実の一年だったのだなと振り返る次第である。
それでは今年の更新はこれにて終了。皆様、よいお年を!
で、一年の締めとして何かやろうかと考えたのだが、やっぱベストテンかなと。管理人sugataが今年読んだ小説での極私的ベストテン。国内海外老若男女発売日等一切不問、今年読んでブログにアップしたものだけが対象である。
では、そのランキング、ご覧下さい。
1位 高城高『X橋付近』(荒蝦夷)
2位 レオ・ブルース『骨と髪』(原書房)
3位 ジャック・リッチー『クライム・マシン』(晶文社)
4位 楠田匡介『楠田匡介名作選 脱獄囚』(河出文庫)
5位 ヘンリー・ウエイド『議会に死体』(原書房)
6位 野村胡堂『野村胡堂探偵小説全集』(作品社)
7位 ポール・ドハティー『毒杯の囀り』(創元推理文庫)
8位 ウォルター・テヴィス『ハスラー』(扶桑社ミステリー)
9位 グラディス・ミッチェル『ウォンドルズ・パーヴァの謎』(河出書房新社)
10位 マイケル・マーシャル・スミス『スペアーズ』(ソニー・マガジンズ)
うむ、我ながらまとまりのないランキングである(笑)。まあ、作品の質というよりは管理人の好きな作品という傾向の方が強いので、これは容赦下され。順位もとりあえず、という感じで、明日選んだら、また変わる可能性も大である。
セレクトの際に重きをおいているのは、「味」ということになるだろうか。いかにすぐれたトリックがあろうと、いかに面白いストーリーであろうと、その作者だけが出せる味がないことには読んでいて退屈なだけなのだ。強いていえば、オリジナリティ・プラスαという感じだろうか。
軽くコメント。順位はとりあえず、と書いたが、1位『X橋付近』だけは別である。この作者の作品を初めてまとめて読んで、日本のハードボイルド黎明期にここまでの作品を書いた人がいたことに驚愕した。河野典生、大藪春彦らが同時代にいて、なぜ日本にハードボイルドが広まらなかったのか、実に不思議だ。なお、創元推理文庫で高城高全集がスタートするらしいが、地方出版社の企画に便乗するようなみっともないことはしてないで、さっさと渡辺温を出しなさい。
『楠田匡介名作選 脱獄囚』『野村胡堂探偵小説全集』も高城高同様、復刻ブームのおかげで読めるようになった作品。『離れた家 山沢晴雄傑作集』も良かったのだが、まさに「味」の部分でこの三作には及ばなかった。
『骨と髪』、『議会に死体』、『ウォンドルズ・パーヴァの謎』は完全に管理人のど真ん中。ガチガチの本格系よりは、渋いというかひねくれているというか、そんな方々が好みなのである。そんななか歴史ものの『毒杯の囀り』はごくごくオーソドックスな本格だけれども実に楽しい作品でこれもランクイン。
最近は各種短編集も流行だが、藤原編集室さんの『クライム・マシン』をピックアップ。トゥーイもよかったんだが、とりあえず代表でこちらを。
やや異色なのは『ハスラー』と『スペアーズ』。こちらはそれぞれギャンブル小説とSF小説になるのだが、根幹を為すのは主人公の生き様であり、優れたハードボイルド小説にもなっているのがミソ。
以上、駆け足になったが、これが今年のマイ・フェイバリット。
他にも『離れた家 山沢晴雄傑作集』とかセオドア・ロスコー『死の相続』、ドナルド・E・ウェストレイク『殺しあい』、ローレンス・ブロック『快盗タナーは眠らない』、ジョゼフ・ウォンボー『ハリウッドの殺人』、コーネル・ウールリッチ『マネキンさん今晩は』、ロバート・トゥーイ『物しか書けなかった物書き』、ジェフリー・ディーヴァー『ウォッチメイカー』など入れたい作品はまだまだあって、おお、そう考えるとなかなか充実の一年だったのだなと振り返る次第である。
それでは今年の更新はこれにて終了。皆様、よいお年を!