Posted in 12 2009
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極私的ベストテン2009
今年もあっという間に大晦日。年をとると月日の流れが早く感じるというが、いや今年はとりわけ早かった。そのせいかどうか本はあまり読めておらず(苦笑)、今年は95冊という結果。なんと昨年と同数であり、50%ほど巻き返すという宣言はまったく実現せず。来年はもっと精進します、というわけだが、その割にはベストテン選びはかなり苦戦した。
それでは、2009年極私的ベストテンの発表!
1位 宮野村子『宮野村子探偵小説選I』(論創社)
2位 デニス・ルヘイン『運命の日(上・下)』(早川書房)
3位 ヘレン・マクロイ『幽霊の2/3』(創元推理文庫)
4位 マイケル・ギルバート『ケイティ殺人事件』(集英社)
5位 ディーノ・ブッツァーティ『神を見た犬』(光文社文庫)
6位 小川未明『文豪怪談傑作選 小川未明集 幽霊船』(ちくま文庫)
7位 D・M・ディヴァイン『ウォリス家の殺人』(創元推理文庫)
8位 マイクル・コナリー『リンカーン弁護士(上・下)』(講談社文庫)
9位 ドナルド・E・ウェストレイク『泥棒が1ダース』(ハヤカワ文庫)
10位 木々高太郎、海野十三、大下宇陀児『風間光枝探偵日記』(論創社)
今年は悩みに悩んだ。というのも宮野村子、デニス・ルヘイン、マイクル・コナリー、D・M・ディヴァインの候補作がそれぞれ二作ずつあり、すべてベストテン級だったからである。だが、それを全部入れては作家数も少なくなるし面白みもないので、今年はあえて一作家一作品に絞って選出した。
1位はダントツ。異様な設定の上に繰り広げられる人間模様、その心理描写が圧倒的で、国内オールタイムベストテン級といってもいい。『宮野村子探偵小説選II』と合わせてぜひとも読んでもらいたい。
2位は昨年の各種ランキングで上位入賞を果たした傑作。こちらも描写力が光る作品で、宮野村子もそうだが、ある程度気力がなければ読めない作品。正直、子供は読むな。なお、短編集『コーパスへの道』もオススメ。
3位は待望の復刻。ともすると過大評価されがちな「幻の作品」だが、これは噂どおりの傑作だった。
4位はぜひ復刻or文庫化してもらいたい傑作。一時期紹介が進んでいたマイケル・ギルバートだが、これを放っておいてはだめでしょう。
5位と6位は非ミステリの短編集。アプローチは大きく異なるが、どちらも人間の心の底を垣間見せてくれるという部分では共通しているのかも。
7位のディヴァインは『災厄の紳士』とどっちにしようか迷ったすえにこちら。8位のコナリーも『終決者たち』と迷ってこちら。本格とハードボイルド、ジャンルは異なるが両者ともハズレがないのが強みで、ぶっちゃけ出ている作品はすべて読んでおいて損はない。
9位はドートマンダーものの短編集で、元気が出る本の代表格。人生はかくありたい。
ラスト10位は完全な好みの世界で、一般のミステリファンにはまったくおすすめできない。でもこれが好きな人とはいい友達になれそうな気がする(笑)。
このほか、アンソロジーは傑作が当たり前なのでランキングには入れなかったが、早川書房編集部/編『天外消失』(ハヤカワミステリ)は必読レベル。また、紀田順一郎/編『謎の物語』(ちくまプリマーブックス)は古書店で見つけたらとりあえず買っとけの一冊。
評論系では住田忠久/編著『明智小五郎読本』(長崎出版)が大収穫であった。
さてさて、こんな感じで今年も一年を終えようとしております『探偵小説三昧』。今年もいろいろとお世話になりました。また来年もご贔屓に。それでは皆様、よいお年を!
それでは、2009年極私的ベストテンの発表!
1位 宮野村子『宮野村子探偵小説選I』(論創社)
2位 デニス・ルヘイン『運命の日(上・下)』(早川書房)
3位 ヘレン・マクロイ『幽霊の2/3』(創元推理文庫)
4位 マイケル・ギルバート『ケイティ殺人事件』(集英社)
5位 ディーノ・ブッツァーティ『神を見た犬』(光文社文庫)
6位 小川未明『文豪怪談傑作選 小川未明集 幽霊船』(ちくま文庫)
7位 D・M・ディヴァイン『ウォリス家の殺人』(創元推理文庫)
8位 マイクル・コナリー『リンカーン弁護士(上・下)』(講談社文庫)
9位 ドナルド・E・ウェストレイク『泥棒が1ダース』(ハヤカワ文庫)
10位 木々高太郎、海野十三、大下宇陀児『風間光枝探偵日記』(論創社)
今年は悩みに悩んだ。というのも宮野村子、デニス・ルヘイン、マイクル・コナリー、D・M・ディヴァインの候補作がそれぞれ二作ずつあり、すべてベストテン級だったからである。だが、それを全部入れては作家数も少なくなるし面白みもないので、今年はあえて一作家一作品に絞って選出した。
1位はダントツ。異様な設定の上に繰り広げられる人間模様、その心理描写が圧倒的で、国内オールタイムベストテン級といってもいい。『宮野村子探偵小説選II』と合わせてぜひとも読んでもらいたい。
2位は昨年の各種ランキングで上位入賞を果たした傑作。こちらも描写力が光る作品で、宮野村子もそうだが、ある程度気力がなければ読めない作品。正直、子供は読むな。なお、短編集『コーパスへの道』もオススメ。
3位は待望の復刻。ともすると過大評価されがちな「幻の作品」だが、これは噂どおりの傑作だった。
4位はぜひ復刻or文庫化してもらいたい傑作。一時期紹介が進んでいたマイケル・ギルバートだが、これを放っておいてはだめでしょう。
5位と6位は非ミステリの短編集。アプローチは大きく異なるが、どちらも人間の心の底を垣間見せてくれるという部分では共通しているのかも。
7位のディヴァインは『災厄の紳士』とどっちにしようか迷ったすえにこちら。8位のコナリーも『終決者たち』と迷ってこちら。本格とハードボイルド、ジャンルは異なるが両者ともハズレがないのが強みで、ぶっちゃけ出ている作品はすべて読んでおいて損はない。
9位はドートマンダーものの短編集で、元気が出る本の代表格。人生はかくありたい。
ラスト10位は完全な好みの世界で、一般のミステリファンにはまったくおすすめできない。でもこれが好きな人とはいい友達になれそうな気がする(笑)。
このほか、アンソロジーは傑作が当たり前なのでランキングには入れなかったが、早川書房編集部/編『天外消失』(ハヤカワミステリ)は必読レベル。また、紀田順一郎/編『謎の物語』(ちくまプリマーブックス)は古書店で見つけたらとりあえず買っとけの一冊。
評論系では住田忠久/編著『明智小五郎読本』(長崎出版)が大収穫であった。
さてさて、こんな感じで今年も一年を終えようとしております『探偵小説三昧』。今年もいろいろとお世話になりました。また来年もご贔屓に。それでは皆様、よいお年を!